画像:内部空間に有機分子が挿入されたカーボンナノチューブの構造模式図 (東北大学岩佐義宏教授らのカーボンナノチューブと有機分子の複合材料の研究から、岩佐教授の許可を得て掲載)
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               ▼▼ Japan Nanonet Bulletin ▼▼ 
                          第3号(2003/1/28)
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☆発行:文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター

□ナノテクノロジー総合シンポジウムのご案内 ―――――――――――――
 文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクト
 第1回ナノテクノロジー総合シンポジウム(JAPAN NANO 2003)

 ナノテクノロジーの第一線の研究者による口頭講演とポスター講演を行う総
 合シンポジウム(JAPAN NANO 2003)を、来たる2月3日(月)、4日(火)
 に東京ファッションタウン(有明)で開催します。

 分野を超えた学術・科学技術の交流の場を提供することを目的とし、江崎玲
 於奈氏、白川英樹氏をはじめとする19件の招待講演と、我が国の各種研究
 推進事業における約50件のポスター招待講演を予定しております。
 ふるってご参加ください。

 参加申し込み(参加費:無料)、会場案内、プログラム等詳細は、下記をご
 参照ください。
 http://www.nanonet.go.jp/japanese/event/index_notice.html

□目次 ―――――――――――――――――――――――――――――――

 □ ナノネットインタビュー
   東京工業大学長
   相澤 益男 氏

 □ 研究者通信
   理化学研究所フロンティア研究システム 基礎科学特別研究員
   藤川 茂紀 氏

 □ ナノインフォ:
   英国のナノテクノロジー戦略:2006年までに成果を目指す

 □ ナノインフォ:
   長野・上田地域知的クラスター創成事業 −スマートデバイスクラスタ
   ーの形成を目指して−(Part1)
   長野県テクノ財団知的クラスター本部科学技術コーディネータ
   久保 壽一 氏

 □ ナノカレンダー

 □ 次号予告

 □ 事務局より


□ナノネットインタビュー ――――――――――――――――――――――
―― バイオエレクトロニクス飛躍のカギ ――
〜「生命情報」と「電子情報」の融合〜
 東京工業大学長
 相澤 益男 氏

 現在のDNAチップにつながる、酵素や免疫を使ったバイオセンサーを相澤氏
は、世界で初めて提案し、実現したことにより、バイオセンサー分野のパイオ
ニアとしての世界的評価を受けている。さらにはバイオ分子を用いて、生命情
報と電子情報をつなげるバイオ素子の構想を次々に展開し、バイオエレクトロ
ニクスの新境地を開拓したのが相澤氏だ。

 1980年代の初め、日本のバイオエレクトロニクス研究は大きく盛り上がった。
当時は生体分子をエレクトロニクスに取り入れて、バイオセンサーやバイオチッ
プといった機能素子を実現するのが中心だった。しかし、最も基本となる1個
の分子を観察する手段も、また生命情報の解読も十分ではなかった。

 それがSTM(走査型トンネル顕微鏡)やAFM(原子間力顕微鏡)などの登場で
単一分子、単一細胞にアクセスする道が開かれ、またゲノム解析の進歩とも相
まって、生命情報と電子情報の世界を密接に連携させる研究環境のインフラが
整った。「今こそ、両技術分野の連携が必要で、それを担うのがバイオエレク
トロニクス」と相澤氏は主張する。エレクトロニクス系で構築された「電子情
報」と、生命体の持つ「生命情報」を融合させることが、ナノテクを基盤にし
てバイオエレクトロニクスが再飛躍するカギととらえている。

 こうした視点に立って、相澤氏は画期的な手法を見いだした。細胞に電気刺
激を与えることによって、発現がストップしていた遺伝子を発現させる方法だ。
具体的には、脳細胞のニューロンを支援するグリア細胞を電極表面で単層培養
し、低周波の微小電圧で刺激したところ、神経成長因子の遺伝子を転写するプ
ロセスが活性化され、神経成長因子を分泌することを確認。さらに、電気刺激
に応答するプロモーターも見いだした。

 この研究はまだ「生命情報とのインターフェースをつくり上げる遠大な構想
の一里塚」だが、ナノテクを基盤にしたバイオエレクトロニクスを駆使すると、
創薬や化学物質の安全性の評価、薬を使わずに病気を治す再生医療の中の細胞
治療などに役立つ細胞デバイスなどをつくり出せるという。となれば、医療の
革新を推進する期待が大きいだけに、この動向は目が離せない。

                                                  (聞き手:筑紫 新)
 WEBページにより詳しい情報があります。下記を是非ご覧ください  http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2003/003a.html

□研究者通信 ――――――――――――――――――――――――――――
―― 3次元構造をもつ金属酸化物超薄膜の作成 ――
理化学研究所 フロンティア研究システム トポケミカルデザイン研究チーム
基礎科学特別研究員
藤川 茂紀 氏

 現在の研究テーマは「3次元的なナノ構造をもつ金属酸化物超薄膜の作成」
である。我々のアプローチは「ナノ構造のPositive Copy」という考えを軸に
しているが、これは固体基板上にあるナノ鋳型構造を超薄膜で被覆後、鋳型除
去によってオリジナルの鋳型形状を"positive copy"した立体的な超薄膜を
作るというものである。

 最初のトライアルとして、直径約100nmを持つポリスチレン粒子を鋳型に利
用した。固体基板上に配列された粒子表面を表面ゾルゲル法により酸化チタン
超薄膜で被覆し、次いで鋳型粒子を除去することによって、酸化チタン超薄膜
からなる中空構造(直径約60-80nm)形成に成功した。

 予め粒子が隣接した所では、各中空構造がナノチューブで連結されているが、
このナノチューブは、鋳型除去時に酸化チタン超薄膜が収縮することによって
形成された構造である。ヘキサゴナル状に配列した粒子群からは、各カプセル
が六方状に連結されたネットワーク構造が形成されていた。

 このことは、「固体基板上のナノ構造をデザインすることで、それに従った
3次元構造をもつ超薄膜ができる」ことを意味している。現在はより複雑な立
体構造をもつ超薄膜の作成について研究を展開しているところである。また金
属酸化物超薄膜の材料特性を、分子動力学計算によりシミュレーションを行っ
ている。

 さらに私は、所属長である国武豊喜グループディレクターとともに研究にお
けるITシステムの利用についても模索中である。これは単純なデータベースシ
ステム(論文データベースなど)を作るというものではなく、現在散在してい
る研究関連情報(Web,実験ノートなど)をどのように扱うかといった、研究活
動におけるKnowledge Management Systemについていろいろな試みを行うもの
である。

 WEBページにより詳しい情報があります。下記を是非ご覧ください。
 http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2003/003b.html

□ナノインフォ ―――――――――――――――――――――――――――
―― 英国のナノテクノロジー戦略:2006年までに成果を目指す ――

 英国のナノテクノロジー戦略は、科学技術庁 Office of Science and
Technology (OST) の研究評議会議長John Taylor博士を委員長とし12名の委員
からなる「ナノテクノロジーの応用に関する諮問委員会」により検討され、昨
年6月に公表された。貿易産業省 Department of Trade and Industry (DTI)
とOSTが協力してこの戦略を推進する。

 英国のナノテクノロジーへの取り組みは早く、1986年にはすでにNational
Initiative on Nanotechnology (NION) を発表している。しかし、その後は日
米など諸国に遅れをとっているとの認識に立ち、今後5年間で重点分野におい
て成果を出そうという「Success in 2006」というシナリオを今回の戦略で練
り上げた。前号までに紹介したEUの第6次研究フレームワークプログラム
(FP6) は、このシナリオ実現のために戦略的に利用しようという位置付けだ。

 英国ナノテクノロジー戦略は学術及び産業応用の両面から検討され、2006年
までに起業化すべき重点分野として、エレクトロニクス・通信、ドラッグデリ
バリーシステム、ヒト組織再生工学、ナノ材料、機器・計測、センサー・アク
チュエータの6つが示されている。その実現のために、全体を統括する
Nanotechnology Applications Strategy Board (NASB) や、最先端の設備で研
究成果のプロトタイプを製作できるNational Nanotechnology Fabrication
Centres (NNFCs) の設置など、数々の提言が盛り込まれている。

 ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターの調査チームは、本戦略の
一端を担うEPSRC (Engineering and Physical Sciences Research Council) 
を昨年11月に訪れ、研究・技術革新部ディレクターのDavid Clark博士から
EPSRCの施策について伺った。

 EPSRCは、OST のもとにある7つの研究評議会の中で最も大きく、そのファ
ンディング予算は科学技術予算の約三分の一を占める。EPSRCがサポートする
ナノテクノロジー予算は、1997年には1755万ポンド(約34.4億円)であったが
2000年には2889万ポンド(約56.6億円)、2001年には4008万ポンド(約78.6億
円)と増え続けている。

                             (以下次号)

 英国のナノテクノロジー戦略
 http://www.dti.gov.uk/innovation/nanotechnologyreport.pdf


□ナノインフォ ―――――――――――――――――――――――――――
―― 長野・上田地域知的クラスター創生事業 −スマートデバイスクラスタ
の形成を目指して−(Part 1)――

長野県テクノ財団 知的クラスター本部 科学技術コーディネータ 久保壽一氏

 長野県としては初めての経験となる産学官大型プロジェクト「知的クラスタ
ー創成事業」には、「学」からは信州大学の工学部・繊維学部を中心に協力大
学も含め約60名、「産」から18社21名、「官」からは県の試験場・知的クラ
スター本部の職員を含め総勢約100名が参加している。

 ご承知のとおり県下には多くの電気・機械・精密企業が集まっており、我々
はこの地域性を活かすためナノテクノロジーに着目した。本プロジェクトでは
信州大の遠藤守信教授を中心とする「ナノカーボンコンポジットによるスマー
ト機構デバイス」と同信州大の谷口彬雄教授を中心とする「機能性ナノ高分子
材料によるスマート情報デバイスの研究開発」の2つのナノテクロジーテーマ
に挑戦している。

 プロジェクトの推進母体となる長野県テクノ財団・知的クラスター本部は毎
週定例ミーティングを開催し、研究進捗、事業費の利用状況、市場調査等の情
報交換を密に行っている。組織化推進、技術評価委員会、事業推進WG、研究報
告会、特許活動を戦略的に行うなど、科学技術コーディネータと事務局が一体
となって強力にこのプロジェクトの支援を行っている。

 また本プロジェクトを契機とし、テクノ財団のコーディネータの支援も加わっ
て長野・上田地域知的クラスター創成推進協議会がスタートした。本協議会は
個人参加を基本とし、企業、大学、公的団体からの参加も含め約130名からな
る。新しいテーマや共同開発が生まれることを目指している。

                             (以下次号)

 長野・上田地域知的クラスター
 http://www.tech.or.jp/cluster/index.shtml

□ナノカレンダー ――――――――――――――――――――――――――
2003年2月3日〜2月9日 国内開催分
国外開催分、その他の期間等は
http://www.nanonet.go.jp/japanese/calendar/index.php
をご参照ください。

【会議名】第1回ナノテクノロジー総合シンポジウム 〜JAPAN NANO 2003〜
【期 間】2月3日〜4日
【場 所】東京ファッションタウン(東京,有明)
【主 催】☆文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/event/index_notice.html
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【会議名】文部科学省科研費・特定領域(B)公開シンポジウム(最終年度)
     『原子分子のナノ力学』
     〜フォースプローブ法による原子分子力学的分光と制御〜
【期 間】2月6日
【場 所】株式会社島津製作所 東京支社イベントホール(東京,千代田区)
【主 催】文部科学省科学研究費補助金「原子分子のナノ力学」総括班
【詳 細】http://www-e2.ele.eng.osaka-u.ac.jp/NanoDynamics/h14-4syousai.htm
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【会議名】第9回「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポ
     ジウム
【期 間】2月6日〜7日
【場 所】パシフィコ横浜会議センター5階(横浜,西区)
【主 催】社団法人 溶接学会 マイクロ接合研究委員会
【詳 細】 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jws/research/micro/mate/Mate2003.html
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【会議名】平成14年度産業技術総合研究所九州センター研究講演会
【期 間】2月7日
【場 所】博多サンヒルズホテル(福岡,博多区)
【主 催】独立行政法人 産業技術総合研究所 九州センター
     財団法人 九州産業技術センター
【詳 細】 http://unit.aist.go.jp/kyushu/kouenkai2003-2.html
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【会議名】第38回表面科学研究会「表面とイオンビームとの相互作用」
【期 間】2月7日
【場 所】産業技術総合研究所関西センター(大阪,池田市)
【主 催】日本表面科学会
【詳 細】http://www.sssj.org/Kenkyukai/Kenkyukai_38/Kenkyukai_38.html


□次号の予定 ――――――――――――――――――――――――――――
Japan Nanonet Bulletin の第3号は2月4日(火)に発行の予定です。
第4号では、ナノネットインタビューとして、(独)産業技術総合研究所の
坂本統徳氏にナノテクノロジーについてお伺いします。

また、若手研究者の紹介では、京都大学大学院電子物性工学専攻でご活躍の
石田謙司氏をご紹介いたします。

他にもナノインフォ、ナノカレンダー等をお届けする予定です。



□事務局より ――――――――――――――――――――――――――――――――
 文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターでは、ナノテクノ
 ロジー研究者の分野・業種を超えた情報交流・コラボレーションを促進するた
 めに、ナノテクメールマガジン Japan Nanonet Bulletin を毎週配信いたし
 ます。

 Japan Nanonet Bulletin プライバシーポリシーにつきましては下記をご参
 照ください。
 http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/policy.html

 web上での配信のお申し込みは
 http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/index.html
 配信アドレスの変更及び配信停止は
 http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/upd_del.html
 よりお願い致します。

 私ども編集担当一同、皆様のご協力を得、発刊してゆく所存でございますので、
 どうぞご愛読下さいますようお願い申し上げます。

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☆発行・運営 文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
☆nanonet ホームページ http://www.nanonet.go.jp
☆お問い合わせ・ご意見は mag@nanonet.go.jp
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