画像:内部空間に有機分子が挿入されたカーボンナノチューブの構造模式図 (東北大学岩佐義宏教授らのカーボンナノチューブと有機分子の複合材料の研究から、岩佐教授の許可を得て掲載)
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Japan Nanonet Bulletin 第3号 : 2003年 1月28日
  研究者通信
 
藤川 茂紀(ふじかわ しげのり)氏
藤川 茂紀(ふじかわ しげのり)氏
理化学研究所・フロンティア研究システム トポケミカルデザイン研究チーム 基礎科学特別研究員

1999九州大学大学院 工学研究科 分子システム学コース 博士課程修了
1999日本学術振興会特別研究員(PD)
1999Yale大学 博士研究員 (A.D.Hamilton 研)
2000理化学研究所 フロンティア研究員
200010月より現職
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理化学研究所 フロンティア研究システム トポケミカルデザイン研究チーム
基礎科学特別研究員 藤川茂紀氏
3次元構造をもつ金属酸化物超薄膜の作成

 現在の研究テーマは「3次元的なナノ構造をもつ金属酸化物超薄膜の作成」である。我々のアプローチは「ナノ構造のPositive Copy」という考えを軸にしているが、これは固体基板上にあるナノ鋳型構造を超薄膜で被覆後、鋳型除去によってオリジナルの鋳型形状を”positive copy”した立体的な超薄膜を作るというものである。

 最初のトライアルとして、直径約100nmを持つポリスチレン粒子を鋳型に利用した。固体基板上に配列された粒子表面を表面ゾルゲル法により酸化チタン超薄膜で被覆し、次いで鋳型粒子を除去することによって、酸化チタン超薄膜からなる中空構造(直径約60-80nm)形成に成功した。(図1)

 予め粒子が隣接した所では、各中空構造がナノチューブで連結されているが、このナノチューブは、鋳型除去時に酸化チタン超薄膜が収縮することによって形成された構造である。ヘキサゴナル状に配列した粒子群からは、各カプセルが六方状に連結されたネットワーク構造が形成されていた。(図2)

 このことは、「固体基板上のナノ構造をデザインすることで、それに従った3次元構造をもつ超薄膜ができる」ことを意味している。現在はより複雑な立体構造をもつ超薄膜の作成について研究を展開しているところである。また金属酸化物超薄膜の材料特性を、分子動力学計算によりシミュレーションを行っている。

 さらに私は、所属長である国武豊喜グループディレクターとともに研究におけるITシステムの利用についても模索中である。これは単純なデータベースシステム(論文データベースなど)を作るというものではなく、現在散在している研究関連情報(Web,実験ノートなど)をどのように扱うかといった、研究活動におけるKnowledge Management Systemについていろいろな試みを行うものである。

 
図1.
図1. 粒子配列を鋳型とした連結型ナノカプセル構造の形成
(本アプローチの基本的概略図)
1. ナノ粒子を固体基板上に配列。
2. 粒子表面を金属酸化物超薄膜で被覆
3. 鋳型粒子除去により連結型ナノカプセル構造が形成

図2.
図2. 六方状連結型カプセル構造の形成
  (六方状に連結したカプセルネットワーク構造の電子顕微鏡写真) 予めヘキサゴナル状に配列した粒子配列を鋳型として用いた場合、鋳型除去によって各カプセル構造が六方状に連結したネットワーク構造が電子顕微鏡により観察された。

関連論文など

  1. Fujikawa, S. & Kunitake, T.
    Surface fabrication of interconnected hollow spheres of nm-thick titania shell
    Chem. Lett. 1134 (2002).
  2. Fujikawa, S. & Kunitake, T.
    Formation of interconnected titania nano-capsules on solid substrate
    IUPAC-PC2002 Preprints 351 (2002).



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