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▼▼ Japan Nanonet Bulletin ▼▼
第7号(2003/2/25)
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☆発行:文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
□目次 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
□ ナノネットインタビュー
大阪大学産業科学研究所教授 産業科学ナノテクノロジーセンター長
川合 知二 氏
□ 研究者通信
東京都立大学大学院理学研究科 無機化学教室 助手
科学技術振興事業団 さきがけ研究21「秩序と物性」領域
宮坂 等 氏
□ ナノインフォ:
米国コーネル大学の新たなナノテク研究拠点“Duffield Hall”の建設
〜第1回NSF−文部科学省合同シンポジウム
「ナノテクノロジーにおけるツールと計測標準」より〜
□ ナノインフォ:
浜松地域知的クラスター創成事業(1)
〜浜松地域オプトロニクスクラスター構想〜
(財)浜松地域テクノポリス推進機構知的クラスター本部 事業総括
柴田 義文 氏
□ ナノカレンダー
□ 次号予告
□ 事務局より
□ナノネットインタビュー ――――――――――――――――――――――――――
――生体機能をナノテクで創る 〜「プログラム自己組織化」手法〜 ――
大阪大学産業科学研究所教授 産業科学ナノテクノロジーセンター長
川合 知二 氏
1953年、ワトソンとクリックによってDNAの二重らせんが発見されてまもな
く50年。しかし、その後多くの科学者がDNAを直接観察しようと挑戦してきた
が失敗した。川合氏はDNAを固体表面にソフトランディングする方法を開発し、
ナノメートル以下の分解能を有する走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて、
1998年DNAの二重らせんの直接的な観察に世界で初めて成功した。「ナノメー
トルのスケールできちんと観察しないと、その世界に踏み込めない」。理学部
で培われた物事の本質を追究する姿勢が、新しい概念を生み出すきっかけとな
る。
「ナノテクノロジーというのはナノメートルの大きさの部品や材料を操る技
術。なぜそれが重要かといえば、ナノメートルの大きさというのはすべての基
本だから。その良い例がDNAやタンパク質です」と川合氏。そこで、ナノメー
トルの部品を組み合わせ、高機能なものを作れないかと考えた。その身近な手
本がヒトの体だ。ヒトの体は究極のナノテクノロジーと言われるように、すべ
ての生体反応が原子・分子レベル、すなわちナノのレベルで制御されている。
この発想から生体のさまざまな機能を人工材料で実現する「ヒューマンボディ
ービルディング」という概念が生まれた。そしてそれを実現するために打ち出
されたコンセプトが、「プログラムに基づく自己組織化」だ。
ナノメートルの部品を組み合わせてヒトの体の機能を作る方法と、自然がヒ
トの体を作る方法の違いとは何か。そのカギは「プログラム」にある。生体は
時間軸を持った設計図ともいえるゲノムDNAの遺伝子プログラムに従ってタン
パク質を合成し、これらが相互作用する中で自然に、まさにひとりでに出来上
がってくる。違いは「プログラムが入っているかいないか」なのだ。この視点
は新たな研究戦略を導き出す決め手になった。
この「プログラム」をキーワードに開発した人工の目は、生体が行う情報処
理過程をプログラム自己組織化によって組み上げたものである。光を感じる材
料、その情報を記憶する材料、情報を読み出す材料の組み合わせを、レーザー
分子線エピタキシー法を使い、それぞれの材料にレーザーを当てることで飛び
出した原子を、ナノの精度でプログラム制御して順番に多層に積み上げたセン
サーだ。目の中の光を感じる網膜の厚さひとつ取ってもナノメートルサイズ。
これはナノテクを使わなければ実現できない。
「シリコン基板上にDNAや他の分子を載せると自然に回路が出来上がってく
る。そんな夢を実現できたら革命的」という川合氏は、DNAの塩基配列に基づ
いたプログラム自己組織化能力を利用して、金や磁性体の超微粒子をナノスケ
ールで配列制御する方法を開発した。
日本が強い材料開発をさらに強くするために、ナノテクを活用すべきという
のが持論の川合氏。ナノテクは電子、物理、化学、生物などあらゆる分野に適
応でき、異分野を融合できる技術で、夢とされた新材料や物質、システムを生
み出す可能性を秘めているからだ。
そしてもっと若い人達にもこの分野に飛び込んで来て欲しいとヒューマンボ
ディービルディングへ向かうナノテクノロジーの面白さを語る川合氏。「まだ
未開発ですが、決して夢ではないナノデバイスやナノマシンなど面白いことが
たくさんあります。けれども気がつけば全部自分の体で毎日行われていること
なんですから。」
(聞き手:筑紫 新)
WEBページにより詳しい情報があります。下記を是非ご覧ください
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2003/007a.html
□研究者通信 ――――――――――――――――――――――――――――――――
―― 単一次元鎖磁石の構造秩序性と磁性制御 ――
東京都立大学大学院理学研究科 無機化学教室 助手
科学技術振興事業団 さきがけ研究21「秩序と物性」領域
宮坂 等 氏
我々の良く知るバルク磁石は、二次元以上のスピン配列なしには磁石にはな
り得ない。しかし、孤立一次元鎖のスピンが一軸異方性をもって強磁性的(或
いはフェリ磁性的)に配列すると、その磁化反転には緩和時間が必要となり準
安定電子状態を示す場合がある。いわゆる、一本の一次元鎖(ナノワイヤー)
が磁石としての性質を内在する「単一次元鎖磁石」である。
本研究では、未だ2例のみ(そのうち一例は本研究者による)の準安定電子
状態をもつ単一次元鎖磁石を、構造及び磁気的秩序をコントロールすることに
よって合理的に構築し、量子的挙動の解明を目標としている。
このような化合物を構築するには、1)強磁性鎖、2)孤立した一次元鎖
(鎖間の磁気的相互作用の消失)、3)大きな一軸異方性をもつ一次元鎖
(すなわち Ising鎖)、の三つの重要な条件を制御する必要がある。そこで、
この三つの設計要素を満たす一連の一次元金属錯体を、一軸異方性の明確な
Mn(III)シッフ塩基金属錯体を異種金属錯体と自己集積により組み合わせるこ
とによって作り出すことに成功した。
この単一次元鎖磁石を設計する際、鎖間にカウンターイオンを挿入すること
で鎖間の磁気的制御を達成し、その結果孤立系ナノワイヤーを実現した。この
ナノワイヤーの交流磁化率はin-phase及びout-of-phaseともに周波数依存を示
し、それらの関係はDebyeモデルによる単緩和過程として表すことができる。
現在、さらに新たな単一次元鎖磁石の開発を行っており、また鎖間を制御す
ることにより、バルク磁気挙動と単一次元鎖磁石挙動の両磁性を制御すること
にも成功している。
WEBページにより詳しい情報があります。下記を是非ご覧ください。
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2003/007b.html
□ナノインフォ ―――――――――――――――――――――――――――――――
―米国コーネル大学の新たなナノテク研究拠点“Duffield Hall”の建設――
〜第1回NSF−文部科学省合同シンポジウム
「ナノテクノロジーにおけるツールと計測標準」より〜
第1回NSF−文部科学省合同シンポジウムが開催された米国イサカのコー
ネル大学では、新たなナノテクノロジー研究拠点となる Duffield Hallの建設
が、今年9月の完成に向けて急ピッチで進められている。
NNUNの主要拠点でもあるCNF(Cornell NanoScale Science & Technology
Facility)は20年以上前に建てられ、政府資金によるナノテク研究施設として
は米国で最も古いものである。建設中のDuffield Hallはその後継施設となる
が、現在同キャンパス内に分散しているCNF, CCMR(Cornell Center for
Materials Research), CNS(Center for Nanoscale Systems in Information
Technology), NBTC(NanoBioTechnology Center)などのナノテク関連のさまざ
まな分野の研究グループ、研究支援組織を結集するもので、組織間のさらなる
連携、協力関係の強化のみならず、分野融合など新たな発想の研究展開も期待
される。
Duffield Hallの建設予算は6200万ドル(74億円)で、Duffield氏や卒業生
からの寄付金で大部分がまかなわれる。建物は3階建てで、総床面積は
14,000平方メートル。1階部分は全てクリーンルーム(2,400平方メートル)
で、2階以上はラボスペース(4,700平方メートル)と会議室などである。ク
リーンルームの仕様は粒子数1000個以下/立方メートルで、一部のエリアは
100個以下/立方メートルとの説明であった。さらに、建物の一部については
振動対策が徹底されている。
この施設のもう1つの特徴は、将来の研究コストを抑制するため、100年の
長期使用を想定し「柔軟性」を強く意識してデザインされている点である。湿
式ラボと乾式ラボの切り替えや、将来の実験装置の小型化や計算シミュレーショ
ンの利用増加など、研究環境の変化に対応できるよう柔軟なレイアウトを可能
としている。
現在までに主要な配管工事、配線工事は終了し、厳冬の中、内装工事などが
行われている。当施設の建設状況はWeb上で工事風景や地図などをまじえて一
般に公開している。これは、学内やNNUNなどのネットワーク内の情報共有化を
主目的としたものとみられるが、日本ではあまり例のない試みである。
WEBページにより詳しい情報があります。下記を是非ご覧ください。
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2003/007c.html
□ナノインフォ ―――――――――――――――――――――――――――――――
―― 浜松地域知的クラスター創成事業(1) ――
〜浜松地域オプトロニクスクラスター構想〜
(財)浜松地域テクノポリス推進機構
知的クラスター本部 事業総括 柴田 義文 氏
浜松地域では、「光技術」を重点技術分野に設定し、様々な産学官連携プロ
ジェクトを推進している。その1つのプロジェクトが、本年度文部科学省から
採択された「知的クラスター創成事業」である。
当地域の知的クラスター創成事業では、光技術の中でも、「イメージング技
術(画像化技術)」に焦点を絞り、「オプトロニクスクラスター構想」として
各種事業を推進している。本事業の中心となる研究機関は、イメージング技術
の研究に伝統と実績のある静岡大学電子工学研究所と、光技術の医学応用につ
いて専門的に研究するわが国有数の研究機関である浜松医科大学光量子医学研
究センターである。
本事業では、これらの研究機関がもつ技術シーズの事業化・クラスター化に
向け、大きく3つの研究を実施している。「機能集積イメージングデバイス開
発」、「医療用高忠実度イメージングシステム開発」、「X線・ガンマ線固体
イメージングデバイス開発」である。この3つの研究テーマには、大学研究者
約40名、地域内外の企業約15社が参画している。
また、当地域では、我々知的クラスター本部を中心に、上記の産学共同研究
のほか、クラスター形成に向けた研究会やセミナー、大学発ベンチャー創出支
援事業なども定期的に実施している。
以上のように、我々は、当地域の総力を結集し、「オプトロニクスクラスタ
ー」の創成に向け、今後、5年間事業を推進していく。
浜松地域オプトロニクスクラスター構想
http://www.hamatech.or.jp/opt-cluster/index_flash.htm
□ナノカレンダー ――――――――――――――――――――――――――――――
2003年3月3日〜3月9日 国内開催分
国外開催分、その他の期間等は
http://www.nanonet.go.jp/japanese/calendar/
をご参照ください。
【会議名】日仏ナノマテリアルワークショップ
【期 間】3月3日〜5日
【場 所】都市センタホテル(東京,千代田区)
【主 催】日仏ナノマテリアルワークショップ実行委員会,☆文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/event/index_notice.html
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【会議名】共用施設ワークショップ「分子・物質に視点をおいたナノテクノロジー・ナノサイエンス」
【期 間】3月8日
【場 所】京都リサーチパーク(京都,下京区)
【主 催】☆文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/calendar/file/file_88.pdf
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【会議名】ナノ・バイオ融合テクノロジー国際シンポジウム
【期 間】3月9日〜10日
【場 所】つくば国際会議場エポカル(茨城,つくば市竹園)
【主 催】物質・材料研究機構,☆文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/event/index_notice.html
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【会議名】平成14年度第IV期教育講座「ナノテクノロジーの最前線コース〜情報通信/エレクトロニクス編」
【期 間】3月4日(2月7日〜3月4日,計5日間)
【場 所】かながわサイエンスパーク内研修室(川崎,高津区)
【主 催】神奈川科学技術アカデミー
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/calendar/file/file_41.pdf
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【会議名】応用物理学会2002年関西支部セミナー「テラヘルツ・フォトニクス」第2回−テラヘルツ帯の新光源−
【期 間】3月5日
【場 所】大阪大学先導的研究オープンセンター2階会議室(大阪,吹田市)
【主 催】応用物理学会関西支部
【詳 細】 http://www.jsap.or.jp/announce/seminar/detail/20030305-0668794225.html
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【会議名】ロボット工学セミナー第19回シンポジウム「デジタルヒューマン基礎技術」
【期 間】3月5日
【場 所】産業技術総合研究所臨海副都心センター4階会議室(東京,江東区)
【主 催】日本ロボット学会
【詳 細】 http://eloon.ans.kobe-u.ac.jp/JSAM/news/meeting030305.html
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【会議名】NPO-2003: フォトニクスと光エレクトロニクスのためのナノテクノロジー国際シンポジウム
【期 間】3月5日〜6日
【場 所】日本科学未来館みらいCANホール(東京,江東区)
【主 催】物質・材料研究機構,☆文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/event/index_notice.html
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【会議名】第2回有機エレクトロニクス・バイオエレクトロニクス国際会議 (M&BE2)
【期 間】3月5日〜7日
【場 所】学士会館(東京,千代田区)
【主 催】応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会
【詳 細】 http://annex.jsap.or.jp/support/division/MandBE/mbe2j/index.html
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【会議名】界面ナノアーキテクトニクス国際ワークショップ
【期 間】3月6日〜7日
【場 所】産業技術総合研究所つくばセンター共用講堂(茨城,つくば市東)
【主 催】産業技術総合研究所界面ナノアーキテクトニクス研究センター
【詳 細】 http://unit.aist.go.jp/narc/workshop2003/narc2003.html
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【会議名】「マイクロケモメカトロニクスの創成」−文部科学省科研費特定領域研究シンポジウム−
【期 間】3月7日
【場 所】日本科学未来館7階みらいCANホール(東京,江東区有明)
【主 催】東京大学生産技術研究所マイクロメカトロニクス国際研究センター
【詳 細】 http://www.nanonet.go.jp/japanese/calendar/file/file_91.htm
□次号の予定 ――――――――――――――――――――――――――――――――
Japan Nanonet Bulletin の第8号は3月4日(火)に発行の予定です。
第8号では、ナノネットインタビューとして、東京工業大学量子効果エレクト
ロニクス研究センター教授の小田俊理氏にナノテクノロジーについてお伺いし
ます。
また、若手研究者の紹介では、物質・材料研究機構・物質研究所ホウ化物グル
ープでご活躍の森孝雄氏をご紹介いたします。
他にもナノインフォ、ナノカレンダー等をお届けする予定です。
□事務局より ――――――――――――――――――――――――――――――――
文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターでは、ナノテクノ
ロジー研究者の分野・業種を超えた情報交流・コラボレーションを促進するた
めに、ナノテクメールマガジン Japan Nanonet Bulletin を毎週配信いたし
ます。
Japan Nanonet Bulletin プライバシーポリシーにつきましては下記をご参
照ください。
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/policy.html
web上での配信のお申し込みは
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/index.html
配信アドレスの変更及び配信停止は
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/upd_del.html
よりお願い致します。
私ども編集担当一同、皆様のご協力を得、発刊してゆく所存でございますので、
どうぞご愛読下さいますようお願い申し上げます。
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