画像:内部空間に有機分子が挿入されたカーボンナノチューブの構造模式図 (東北大学岩佐義宏教授らのカーボンナノチューブと有機分子の複合材料の研究から、岩佐教授の許可を得て掲載)
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Japan Nanonet Bulletin 第51号   : 2004年1月27日

研究者通信

GONG, Jian Ping
龔 剣萍 GONG, Jian Ping 氏
北海道大学大学院 理学研究科
生物科学専攻 生体高分子設計学1 教授
科学技術振興機構戦略的創造研究事業さきがけタイプ
「組織化と機能」研究者
1993年北海道大学理学部  助手
1994年日本学術振興会特別研究員
1995年北海道大学大学院理学研究科  助教授
2003年北海道大学大学院理学研究科  教授
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北海道大学大学院 理学研究科
生物科学専攻 生体高分子設計学1 教授
科学技術振興機構戦略的創造研究事業さきがけタイプ
「組織化と機能」研究者
龔 剣萍 GONG, Jian Ping 氏

筋肉タンパク自己組織化ゲルの機能とソフトナノマシンへの展開

筋肉は極めて効率的な生体機械である。それはアクチンとミオシン二つの蛋白分子がそれぞれフィラメント→フィブリル→サルコメアといった階層構造を作ることによって、ナノメータオーダーのフィブリル間の滑り運動をマクロの運動に集積し、実現されている。筋肉運動の特徴は熱揺らぎ(kBT)程度のエネルギーで駆動され、その効率は約100%に達することである。

我々は筋肉蛋白のアクチンとミオシンをゲルの基本構成材料(Building block)として用い、それらを蛋白の酵素活性を生かしながら人工的に再構築することにより、ATPで駆動するソフトナノマシンを創製することを目指している。

これまでに、アクチンとミオシンをそれぞれ自己集合させながら化学架橋することによってナノメータからマイクロメータの自己組織化ゲルを作ることに成功している。このように人工的に再構築されたアクチンゲルは、ミオシンゲルシート上を、nativeのアクチンよりも速くて、しかも方向性が強い滑り運動をすることを発見している。

本研究によって、これまで実現されたことのないATPで駆動する人工ソフトナノマシンを創製することができ、生体適応性ソフトマニュピレータやソフトアクチュエータの応用が可能となる。

図1
図1. 拡大
ATPで駆動するナノバイオマシンの模式図。筋肉タンパクであるアクチンとミオシンをBuilding Blockとして使い、それぞれを人工的に再構築しながらゲル化する。
図2
図2. 拡大
人工的に再構築されたアクチンゲルはミオシンゲルの上にすべり運動をしている(a)。
その運動速度は Native なものと比較しても、遜色がない(b)。


関連論文:
  1. Kakugo, A., Shikinaka, K., Matsumoto, K., Gong, J. P. & Osada, Y.
    Growth of Large Polymer-Actin Complexes.
    Bioconjugate Chem. 14, 1185-1190 (2003).
  2. Kakugo, A., Sugimoto, S., Gong, J. P. & Osada, Y.
    Nanoactuators built of covalently bound myosin and actin gel fibers.
    Advanced Materials 14, 1124-1126 (2002).
  3. Gong, J. P., Hirota, N., Kakugo, A., Narita, T. & Osada, Y.
    Effect of Aspect Ratio on Protein Diffusion in Hydrogels.
    J. Phys. Chem. B. 42, 9904-9908 (2000).