東レ株式会社 先端融合研究所 研究員
科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけタイプ「組織化と機能」研究者
中村 史夫
科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけタイプ「組織化と機能」研究者
中村 史夫
自己組織化単分子膜を用いたDNAセンサーの構築
近年、テーラーメイド医療や遺伝子診断を目指したDNAセンサーに関する研究・開発が精力的に行われている。しかし、既存の手法ではセンシングの感度および再現性の面において十分とは言い難い。筆者らは、高感度・高精度なDNAセンサーを構築するために、固体基板上にプローブ部位を有する自己組織化単分子膜(SAM)を構築することに成功した。このナノレベルに制御された単分子膜は一本鎖部分と二本鎖部分を持つDNAから成り、このDNAの1本鎖部分をプローブ部位としたり、また複数のプローブDNAを結合することにより、活性を維持したままの一本鎖プローブDNAの固体基板上への固定化が可能となる。
筆者らはこれまで3つの新規DNAハイブリダイゼーション法に成功している。
- プローブDNA-SAMを用いたDNAハイブリダイゼーション法(図1.参照)
- プローブDNA-アントラセン含有SAMを用いたDNAハイブリダイゼーション法
- 1つのプローブDNA分子において、複数の一本鎖プローブ部位を有する“ブランチ型プローブDNA”を持つSAMを用いたDNAハイブリダイゼーション法(図2.参照)
これら新規のDNAハイブリダイゼーション法と表面プラズモン共鳴法(SPR)を用いた検出法とを組み合わせることにより、蛍光ラベリングすることなく、検体DNAの高感度検出に成功した。現在、上記手法によりDNAアレイを作製し、SPR顕微鏡を用いたDNAアレイの多点同時観察によるさらなる高効率な検出・解析の検討を行っている。(図3.参照)




