近接場光学グループ 副研究室長/常勤研究員
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
さきがけタイプ「組織化と機能」研究者
物部 秀二 氏
無電解めっき法のサイズ依存性の発見と
近接場光学顕微鏡用ファイバープローブ
作製への応用
我々のグループでは、近年、ナノ光学とその応用を開拓するための強力な探索手段として注目されている、光ファイバープローブを用いる近接場光学顕微鏡の開発を行ってきた。この顕微鏡の空間分解能は主としてプローブの先端径によって決定されるため、ファイバープローブの作製がこの開発における最も重要な課題である。
高分解光ファイバープローブを作製するためには、まずナノTip(先端)を持つよう光ファイバーを先細り状に先鋭化し、次に先端部を除き先細り面を金属コートしなければならない。既に我々は、光ファイバーの化学エッチング、金スパッタリング、開口作製工程からなる手法など種々のプローブ作製方法を開発しているが、開口作製工程の歩留まりの低さがプローブを量産することを困難にしている。
我々はプローブ量産技術の開発を目指して、開口作製工程を必要としない無電解金属めっき法を用いたプローブ作製法を提案している。ナノメーターサイズの先端径を持つよう先細り加工されたガラスファイバーに、無電解めっきにより金属コーティングを行うと、サブミクロンサイズの末梢部分にのみ金属析出が生じないことがあることを我々は発見した。提案する手法はこの現象を利用するものであるが、無電解めっきのサイズ依存性については、そのメカニズムや時間的ダイナミクス、制御方法などの詳細は解明されてない。
我々はこれまでに、先端部の形状の異なるファイバーに、SnCl2溶液とPdCl2溶液の2液による感受性化、触媒化処理を行った後、安定化剤や超音波照射などめっき浴の条件を種々変えて無電解Niめっきを行った結果、先端部でのみNiの析出が抑制された種々のプローブを得ており、その中には約40nm程度の微小な開口部をもつプローブも得られるという結果を得ている。
本研究では、今後これらの成果を踏まえて、無電解めっきのサイズ依存効果を制御する物理的・化学的技術の創出を目指していく。




