NanotechJapan Bulletin

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<第8回>
高分子ナノテクノロジーに基づく標的指向型ドラッグデリバリーシステムの創出 ~難治疾患標的治療への道の開花へ~
東京大学大学院 工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授 片岡 一則氏に聞く

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 21世紀に入って基礎研究の目玉として精力的展開が進められてきたナノテクノロジーは,人類社会の発展への鍵技術としての期待が高まっている.地球環境改善への貢献を目指すグリーンナノ・テクノロジーに続いて、人々のライフの質的な改善・向上への貢献が要望されている.第4期科学技術基本計画における重点項目としてライフが挙げられ,特に医療関係ではナノテクノロジーへの期待が大きく,ナノバイオテクノロジーの研究も盛んである.ドラッグデリバリーは医療効果を高める主要手段として夙に開発,利用がおこなわれているが,ここにナノテクノロジーを適用して画期的な医療手段の提供の実現を目指す研究開発を推進している研究リーダーがいる.東京大学大学院 工学系研究科 マテリアル工学専攻教授 片岡 一則(かたおか かずのり)氏である.

 片岡氏は同大学大学院医学系研究科疾患生命工学センターの教授を兼務しており,ナノテクノロジー・材料技術を基盤として癌などの難治疾患に対する革新的診断・医療システムの構築を目指して活躍中である.2012年3月,氏の研究成果である「高分子ナノテクノロジーに基づく標的指向型ドラッグデリバリーシステムの創出」は,ナノ医療(ナノメディシン)という新分野の確立をもたらしたことが賞されて,ドイツのアレキサンダー・フォン・フンボルト財団からフンボルト賞を授与されている.また,2012年7月にはナノテクノロジー分野において世界的に評価を受ける顕著な研究業績を挙げた者に授与される第9回江崎玲於奈賞を受賞している.

 今回,NanotechJapan Bulletinの特集記事の取材のため東京大学工学部の教授室に片岡氏を訪ね,標的指向型ドラッグデリバリーシステムのお話を伺った.

1.ドラッグデリバリーシステム研究開発の背景

1.1 社会ニーズ

 ドラッグデリバリーシステム(略してDDS)について片岡氏は「ナノテクノロジーで作る魔法の弾丸」という題目で最近講演をしているとのことであり,そのスライドを使ってお話をされた.

 DDSの適用対象はいろいろあるが,今のところ癌を一番大きな標的として研究をしている.癌は人間の死亡原因の一位であり,日本では年間35万人前後が亡くなっており,死亡者の3人に1人は癌で亡くなっている.患者の数は130万人くらいである.癌患者は高齢者が多いが,図1に見られるように働き盛りの年齢層もかなりいる.仕事で活躍している人が亡くなってしまったり,癌に罹って3人に1人は職を失ったり,また治療には金銭的負担も大きくなるなど,癌は社会・経済の問題でもある.

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図1 年齢階層別がん罹患率 (出典:国立がん研究センターがん情報サービス)

 癌の治療は国家戦略の対象にもなっていて,重粒子線治療などが進められている.これは治療効果としては素晴らしい方法ではあるが,現状は年間に治療できる人が100人位に限られる.全国に装置を隈なく配置しようとすれば莫大な費用が掛かり財政的に不可能である.国民的目線から見れば,限られた人数で効果が上がっても、全体としては国内の癌問題に対して効果を上げたことにならない.何時でも,何処でも,誰にでも適用できる有効な治療法ができて,35万人の患者の少なくても1割以上,例えば10万人くらいに対処できるようにならないと,癌死亡率が低下するという社会的なメリットを上げたことにならないと,片岡氏は語る.

 現在行われている一般的な癌治療法としては,免疫療法はまだ検討中であり,次の3種が行われている.

(1) 外科手術 :手術で癌細胞を取り除くので,確実な方法で広く行われている.しかし,外科手術で取り除くことが可能な場所であることが条件であり,転移癌には適応できない.また,手術すれば体を傷つけることになり,体はそれを治そうとして成長因子を出すので,転移癌がある場合はその成長も助長してしまうという問題もある.従って,一般には術後に抗癌剤を飲むことになる.

(2) 放射線治療 :これはピンポイント治療として有名である.ただし,技術の進歩により周辺のダメーシは減ってきているが,零ではない.また,当然のことながら所在の分からない転移癌には適用できない.従って,適用が限られる.

(3) 化学療法 :これの良いところは,転移の有無に関係なく,また癌の部位が確認できなくても適用できる点である.しかし,まだ一般的には他の治療法との組み合わせで用いることが多い.抗癌剤も昔に比べると大変よくなってきているが,問題は,細胞を痛めつける機能を持っているので体内に吸収され副作用をおこすこと,および耐性ができてしまうことである.従って,ピンポイントのデリバリーシステムが出来てこないと化学療法は上の二つの治療法に匹敵する独自の地位を獲得することはできない.最近,個々の疾患の特殊性を診断し,癌細胞に特異的な分子標的に対する薬剤(分子標的薬)を用いる個別化医療が,欧米での薬剤開発と連動して提唱されている.しかしこの場合診断にも費用が掛かり,診断結果により適用できない割合も多く,適用患者数も少なくなり,薬剤開発費の患者負担が桁違いに高くなる.このことは個別化治療の宿命である.また,この治療を受けたとしても効果があるのはある一定の割合であり,一方副作用も大きくなり,耐性ができる問題はさらに大きくなる.

 その他に化学療法としては,次世代医薬・療法として最近注目を集めている核酸医薬や遺伝子治療がある.創薬プロセス短縮と副作用が少ないなどの特徴があり高い期待が寄せられている.しかし,そのままでは薬剤が細胞に入っていかないので効果が出ない.標的細胞内に輸送し,機能させる方法の開発が前提となる.

 このように,癌の化学治療においてデリバリーが大変重要になる.問題は静脈注射で薬を注入すると全身に広がってしまい,標的に届くのは極一部で大半が無駄になったり,副作用を引き起こしたりする.これを防ぐには標的にだけ薬が集まるようにすればよい.即ち標的指向型DDSである.

1.2 標的指向型DDS開発に至る経緯

 DDSの考え方は今から2600年前にギリシャの医学者ヒポクラテスに遡る.彼は本の中で「本当に良い薬は効いて欲しいところだけに効く薬である.そういう薬を見つけなければいけない.」と書いているとのことである.それから長い歳月を経て20世紀の初めにこの考えをリバイバルさせたのは,ポール・エーリッヒというドイツの細菌学者・生化学者である.彼は1908年に第1回のノーベル医学賞を受賞している.その時代,19世紀の中頃から顕微鏡の発明があり病理学が進みだした.また,有機合成化学が発達し,良い有機染料ができるようになったので,組織などを染め分けて顕微鏡で見られるようになった.ドイツの細菌学者ロベルト・コッホがコレラ菌を発見したのも染料技術のお蔭である.エーリッヒはコッホの弟子で,染料により細菌を染め分けることができる,例えばカチオン(正イオン)性染料で染まる細菌もあればアニオン(負イオン)性染料で染まる細菌もあることが分かり,さらに染料で染まる時に細菌が死ぬことを発見した.このことは,染料の化学構造を制御すればある細菌だけを攻撃することができることになる.エーリッヒはこれを「魔法の弾丸」と呼んだ.この後エーリッヒの成果に基づいて多くの染料メーカが薬の開発を始めるようになった.現実はそう選択性はよくなかったが,それでもサルバルサンと云う抗菌剤ができて,抗生物質ができるまでの唯一の感染症治療薬であった.サルバルサンができたのはエーリッヒの貢献である.

 エーリッヒの「魔法の弾丸」はまだ真の弾丸ではなかった.薬剤を投与すれば全身に広がってしまうので,患部の細菌に対しての効果は薄まってしまう.投与した薬剤を患部にたいして集中させる仕組みを追及する活動が20世紀を通して進められ今日に至っている.ヒポクラテスの課題提起を第1段階とすればエーリッヒの第2段階を経て第3段階の「魔法の弾丸」の追及であると片岡氏は経緯を解説された.

 片岡氏は東京大学大学院では工学系のドクターコースでバイオマテリアルに取り組まれ,終了後東京女子医大で医学部の中でのバイオマテリアルの研究に携わっている.こうした環境で医工融合を実感したとのことである.東京女子医大でプロックポリマーを研究テーマとしている時に,東京大学から派遣の大学院生 横山昌幸氏(現・慈恵医科大学准教授)と共に,ブロックポリマーをベースにしたドラッグデリバリーをテーマに選んで,動物実験で薬剤を癌に集中させることに成功した.1984年?1985年のことである.ブロックポリマーを研究テーマにしたことと,ドラッグデリバリーをテーマに選んだことが,幸いであったと片岡氏は云う.ところでほぼ同じ時期に熊本大学の前田浩氏(現・熊本大学名誉教授)達が癌部位に特異的に高分子物質が集まるという現象,いわゆるEPR(enhanced permeability and retention)効果を論文で発表している(1986年12月).両者は全く独立に研究を行っていたが結果は符合していることがわかった.ただその頃のEPR効果は,前田氏を含めて蛋白質のアルブミン程度の小さい寸法の薬物を念頭に置いたものであり,50nmもあるようなものが,癌に集まることを実証したのは自分達が最初であろうと片岡氏は語っている.

2.標的指向の仕組みの構築

 投与した薬物を患部に集中させ治療に供する仕組みについて図2を用いて紹介する.微小なキャリアに薬剤を含ませて目的地に送り届ける研究は広く行われているが,片岡氏が狙うものは単なるキャリアではなく,目的を達成するための各種機能を集積化し一体化したものであり,これをナノデバイスと呼んでいる.図中の1ではデザインされたデバイスを静脈注射で血管内に導入する.まず,血管に入ったデバイスが途中失われることなく流れて患部に到着する必要があるが,そのためには突破しなければいけない関門がいくつかある.

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図2 高分子ナノデバイスがドラッグデリバリーで発揮する機能 (提供:片岡氏)

第1の関門

 人間の体は,入ってきた微小な異物を除去する機能がある.ウイルスやバクテリアから身を守るためで,肺や肝臓にある細網内皮系という組織が機能する.デバイスがこれに捕まらないように微細化すると今度は腎臓で排出されてしまう.図中の2に示すようにこの両者に捕まらずに血液中を流れ続けることが必要で,これをステルス機能と呼んでいる.レーダーに捕まらないで飛行するステルス爆撃機みたいなものである.

 そのため細網内皮系で捕まらないようにデバイスの表面構造を制御する.これが一番重要である.なお,デバイスの寸法条件についてみれば,細網内皮系で捕まらないためには,デバイス表面構造にもよるが100nm以下である必要があり,腎臓で排出されないためには10nm以上である必要がある.即ち,求められるものは10?100nmの間の最適値に制御されたナノデバイスである.

第2の関門

 血管の中を運ばれるデバイスが,血管の外にある癌細胞に作用するためには,癌の近くで血管から外へ出なければならない.どうやってその場所で外へ出るか.これが第2の関門である.これには二つの方法があり,一つは,小児麻痺などの一部のウイルスが血管を通り抜けて体内で害を及ぼす仕組みを真似て同様の機能をデバイスに作り込むことである.このウイルスはその表面に特殊な蛋白質を持っていて,その蛋白質が血管の内側を密に覆っていて通常はものを通さない内皮細胞と結合し,そのシグナルを内皮細胞に与えることによりウイルスが内皮細胞を通り抜けている.これはトランスサイトーシスという機能である.同様の機能をナノデバイスに作り込めばよいわけであるが,一部成功例もあるがかなり難しい.

 もう一つの方法は,血管側の性質を利用するものである.癌細胞近傍の血管は正常の血管に比べて血管の壁の透過性が上がっている.理由は,癌細胞は成長が早くそれだけ栄養と酸素を必要とするので,急遽蛋白質を作って血管を引き寄せる.そうして出来た血管は正常の血管よりも粗悪であり,サイズ100nm以下のものは通過できることがだんだん分かってきた.これは前述のEPR効果である(図2の3).この方法により第2の関門もすでに動物実験で解決しており、臨床治験が始まった段階にある.

標的細胞への侵入と治療

 上述の仕組みでデバイスは標的とする癌細胞まで到達するが,さらなる課題は癌細胞内に侵入し目的を達成できるかである.耐性癌の場合,抗癌剤が来るとこれを失活させたり,これを汲出したりしたりする機能が働く.また,遺伝子や核酸は前述の通り細胞膜を通り抜けられない.そこで,考えられたのは標的細胞を認識してその細胞内に入り込むトロイの木馬のような機能である(図2の4).ナノスケールのトロイの木馬であると片岡氏は笑う.デバイスの表面に例えば分子バーコードとなる特殊な蛋白をつけると,細胞がこれを読み取ってデバイスを核やミトコンドリアに送る(図2の5).これはもともと自然界にあるそうした機能を持った分子を人工のデバイスに付けてやるもので,ウイルスの仕組みを真似している.こうして細胞内に入ったデバイスは,そこの環境を感知して薬を放出する(図2の6).更に,人間は自然界が行わないことも追加できるわけで,こうしたプロセスを遂行するに際し,後述のように光・熱・電界・磁界などの物理的エネルギーの適用によりプロセスの進行の効率化を図ることも行える.

 以上が標的指向デリバリーシステムの全体像である.昔,月に向かうアポロ計画があったが,これは,ミクロコスモスのアポロ計画であると片岡氏は比喩で表現された.

3.ドラッグデリバリー用高分子ナノデバイスの創製

 前章で述べたようなウイルスと類似の機能を発揮するデバイスを人工的に実現するのに,進化した高分子のナノレベルの精密材料設計を用いるという.まず,図3に示すように,親水性の高分子連鎖(ポリエチレングリコール)と疎水性の高分子連鎖(ポリアミノ酸)の2種類のブロックを繋げたブロックポリマーを作る.親水性高分子の端に標的細胞に選択的に結合する機能を付与し,疎水性高分子の側鎖に環境応答機能を介して薬剤を担持させる.こうして細胞内の環境に応じて薬剤を放出するスマートファンクションを作り込む.

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図3 分子技術に基づく精密高分子材料設計 (提供:片岡氏)

 次にこのブロックポリマーの連鎖を水中に分散させると図4に示すようにブロックポリマーが集まって,疎水性の部分を親水性の部分で覆う形に自己組織化し,疎水性の薬剤や核酸医薬などを内部に取り込んで,ミセルと呼ばれる球状のデバイス,あるいは,中空の筒状のデバイスが出来上がる.薬剤は疎水性であり図4の上部に示すようにあらかじめブロックポリマーを形成するポリアミノ酸の側鎖に付けて置いてもよい.こうした自己組織化が行われるのは,これにより表面エネルギーが減少して安定な状態になることによる.ミセル型か中空型かは親水性連鎖と疎水性連鎖の比率や接続状況などで変わってくる.例えば親水性連鎖を長くすると,ミセルとなり寸法は小さくなる.親水性連鎖を短くしていくと球形から棒状になり,さらには中空形状となる.ミセルの寸法は20nm?80nm位でありあまり大きくできないが,中空型の寸法は50nmから100nm以上のものができるので両者を目的によって使い分けることが可能である.

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図4 設計されたブロックポリマーが自己組織化によりナノデバイスとなる. (提供:片岡氏)

4.ドラッグデリバリー用高分子ナノデバイスの果たす機能 −DDSイノベーション−

 「誰にでも,どこでも,いつでも適用できる治療システム」が片岡氏の求める理想である.開発したDDS用高分子ナノデバイスは,薬物とキャリアが構造的かつ機能的にナノスケールで集積し,センシング,プロセッシング,オペレーションが一体化した高度な治療を,必要なとき・必要な場所・必要なタイミングで遂行する「ナノデバイスシステム」を目指している.図5は前章に記載の製法(図5中央のグレー部分)によるナノデバイスが目標達成に貢献する機能例を示す.

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図5 DDSイノベーションを起こす各種機能 (提供:片岡氏)

図5左上は体内の望ましい部位に到達できる機能(ステルス機能):
前述のEPR効果によるナノデバイスの癌部位への集積は,蛍光指標をデバイスに含ませて,マウスに投与する実験で確認している.

図5左下は標的細胞に対するアタック機能:
標的細胞をセンシングし,トロイの木馬機能などで細胞に侵入した後,細胞内の環境をセンシングし,例えば低pHであること利用して薬物を放出する.

図5右上は癌の存在の可視化機能:
MRIの造影剤,蛍光物質などをナノデバイスに集積し,微小癌の検出,予測治療を可能とする.片岡氏のところでは肝臓にできている直径2mmの転移癌を検出している.世界的にみても高いレベルとのこと.また,この技術を使うと,現在国内に存在する6000台のMRIを癌観察に有効に使うことができる.これらのMRIは磁界強度1テスラの装置であり,癌の直接の検出にはより感度を高める必要がある.磁界強度を7テスラにすればよいが,資金的に全てを7テスラにすることは不可能である.しかし,ナノデバイスを使えば,同等に感度を高めたことに相当し,全国6000のMRIが使えることになる.

図5右下は外部信号・物理エネルギーとの連携機能:
例えばナノデバイスに光に反応して活性酸素をだす光増感剤を入れて置き,内視鏡で患部に光を当てることで治療を行うなど,手術で体を傷つけることなく治療を行うことができ,日帰り治療も可能となる.

5.難治癌への挑戦

現在の方法論では治療が困難な難治癌として次の4種が挙げられる.

 ・転移癌
 ・薬剤耐性癌----薬剤が効かない癌
 ・薬剤の到達効率の低い癌----膵臓癌,脳腫瘍
 ・がん幹細胞----治療抵抗性の悪玉癌細胞

片岡氏はこうした治療困難な癌を対象として,開発した高分子ナノテクノロジーによる標的指向型ドラッグデリバリーデバイスのミセルの開発とその効果の実証に挑戦して次々と優れた効果を確認している.以下にその例を紹介する.

5.1 薬剤耐性癌の克服へ

 オキサリプラチンという進行・再発大腸癌治療用の優れた抗癌剤が開発されているが,強い毒性による副作用が大きく,また癌細胞が抗癌剤にたいする耐性もつようになり,効果があがらない.これをミセル化することで飛躍的に改善することを狙った.

 オキザリプラチンは生体内でより抗癌活性の強いダハプラチン(DACHPt)に変換される.片岡氏は,このDACHPtを用い,ブロックポリマー(ポリエチレングリコールとグルタミン酸)と結合させ,DACHPtが疎水性であることによる自己組織化で直径30nm ?40nmの金属錯体形成型(DACHPt内包)高分子ミセルを製作した.このサイズのミセルは非常に安定して血液中に長い時間存在し,癌の部位に集中することになる.図6はマウスを用いた実験結果で,オキザリプラチンに比較して,DACHPtミセルが血液中に長くとどまり,癌に集中して攻撃し続けていることが分かる[1].

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図6 DACHPt内包高分子ミセルの体内動態と癌への集積性 (提供:片岡氏)

 このミセルが進行・再発大腸癌などの薬剤耐性癌に効果を発揮するメカニズムを図7に示す.癌細胞はオキザリプラチン等の白金抗癌剤に耐性を持つと,抗癌剤が入ってきても(図の左上)細胞内に解毒蛋白質を作って解毒するので抗癌剤が核まで行けない.しかし、ミセルの場合はエンドソームという膜に身を包んでトロイの木馬のようにして癌細胞の中に入り込む(図の右上).人間の胃のなかで食べたものが酸で融けるのと同じように細胞内で酸性は強まりpHが下がるとミセルが壊れて,核の近くで薬が放出され,核を攻撃できる.

Fig07.jpg図7 ナノスケールのトロイの木馬(高分子ミセル)による薬剤耐性の克服 (提供:片岡氏)

 このような高分子ミセルの細胞内での仕組みが本当に実行されているかどうかの確認のため,図8に示す蛍光標識抗癌剤内包ミセルを作った.図に示すように,親水性高分子の端に例えば緑色の蛍光分子を付け,疎水性の高分子の端には例えば赤色の蛍光を付けたブロックポリマーを使用し、自己組織化により作った抗癌剤内包のミセルである.ミセルの状態では赤色の蛍光分子はミセルのコア部に凝縮してクエンチして見えなくなる.従って表面の緑だけが見えるが,ミセルが崩壊して薬剤を放出すると赤色が見えてくる.これを使えば癌細胞のなかのどこで薬剤を放出したかが分かる.

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図8 耐性癌細胞内での薬放出のその場観察 (提供:片岡氏)

 このミセルを使って,先ず培養している癌細胞で癌細胞内でのミセルの薬剤放出状況のその場観察に成功した.

 更に,動物の体の中でのミセルの活動を観察するために,企業と協力して,高速走査型共焦点顕微鏡を開発した.通常の共焦点顕微鏡は静止物体には良いが呼吸をしている生き物には向かない.これは,ビデオ同様の高速で走査し,高感度で,生体の深部までの観察ができる装置である.図9はこの顕微鏡で観察したマウスによる実験例である.ミセル投与の直後は血管中をミセル(緑色蛍光)が循環している.12時間後血管内にはミセルが循環している一方で,癌組織内にいる癌細胞のなかにもミセルが侵入し,薬剤を放出する活性型(赤色蛍光)となっており,薬剤が癌細胞内で活性化している様子が見て取れる[2].

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図9 癌組織内に浸透し薬剤を放出する高分子ミセルのその場観察 (提供:片岡氏)

5.2 膵臓癌への展開

 このような結果を得て,次に膵臓癌への適用に挑戦した.膵臓癌は5年生存率の最も低い癌である.その特徴は,癌組織周辺の血管密度が低く,組織は厚い間質で覆われているため薬剤が癌細胞に到達しないことである.

 図10は癌組織の共焦点顕微鏡写真である.Tで表示した部分は癌細胞クラスター,その周りの赤く表示された部分は繊維層の間質,間質の中に僅かに見える緑が血管である.既存の制癌剤リポソームの投与を蛍光標識を付けて観察することで,薬剤は血管周辺に存在するが,間質に遮られて癌細胞クラスターに入れないでいることを確認している.リポソームの寸法は100nmであり,より小さい低分子の薬剤なら間質を通り抜けると思われるが,低分子の場合は血液中で急速に減少して,患部には十分届かない.

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図10 膵臓癌組織の共焦点顕微鏡写真 (提供:片岡氏)

 これをミセルで行えば,寸法の設計が自由に行える.ミセルの寸法を30nmおよび70nmに設計しそれぞれに緑と赤の蛍光標識を付けたものを混ぜて投与した結果を図11に示す.右写真は左写真の部分を拡大して腫瘍の内部を示している.血管の中は,30nmと70nmのミセルが存在して黄色であるが,その外は30nmミセルの緑が満ち溢れており,一方70nmミセルは血管から出ても,その先に広がっていないことが分かる.即ち,膵臓癌の場合,ミセルの粒径を30nm以下にすることで,癌組織の深部にまで到達する高い組織浸透性を実現できる[3].

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図11 膵臓癌の標的治療に向けたミセル型ナノデバイスのサイズの最適化 (提供:片岡氏)

 この効果はさらにシンクロトロン放射光施設SPring-8での蛍光X線分析により確認した.図12の下側の写真では血管中に含まれる鉄Feの分布を評価している.血管の無い癌細胞クラスター内にはFeはないので,濃い青となっている.上側はミセルの抗癌剤が持つ白金Ptの分布を観察している.70nmミセルは癌細胞内に入れていないのに対し,30nmミセルは入り込んでいることが明瞭である.

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図12 SPring-8の蛍光X線分析で30nmミセルと70nmミセルの癌組織への浸透性の比較 (提供:片岡氏)

 マウスの皮下移植膵臓癌に対する治療効果の実験でも70nm,50nmのミセルでは効果が見られなかったが30nmミセルでは高い治療効果が確認された.更に自然発生膵臓癌を持つマウスに適用して生存率を求めた実験では,経過日数70日で,白金抗癌剤(オキザリプラチン)を適用したマウスの生存率が20%まで下がったのに対して白金抗癌剤内包ミセル適用では100%であった.

 抗癌剤内包ミセルには,さらに次のような効果も確認している.

(1)膵臓癌はすぐに腹膜や肝臓に転移するので,腹水がでるがミセル投与ではそれがないことがマウスの実験でも確認されている.

(2)抗癌剤の毒性を無くすことができる.シスプラチンのような抗癌剤は注射するとすぐに腎臓組織に入り込んで腎機能を侵す.ミセルの場合は腎臓を素通りするのでそれがない.また,シスプラチンは内耳毒性を持つが,ミセルはこれも抑える.

(3)従って入院治療の必要がなく,日帰り治療ができるようになる.
なお,後述のようにミセル型ナノデバイスの臨床治験が進められているが,末期の膵臓癌患者を対象した治験において,標準治療に比べて生存期間が飛躍的に延長している(3ヶ月→1年以上).

5.3 悪性脳腫瘍への挑戦-------EPR効果が活用できない場合への展開

 以上に挙げた癌ではミセルを癌細胞に集めるのにEPR効果を活用してきた.しかし,それができない癌もある.代表例は悪性脳腫瘍である.EPR効果では,癌細胞の近くの血管の管壁にミセルが通り抜けられる隙間があった.しかし悪性脳腫瘍の場合,脳では血管内壁細胞が血管-脳関門(BBTB)となっていて、頭のなかに悪いものが入らないようにバリヤーを築いている.悪性脳腫瘍の近くの血管でもミセルが通り抜ける隙間がない.

 これに対する対策として,前述の小児麻痺のウイルスが行っている仕掛けを使うことを考え,最近ようやく上手く行くようになった.ミセルの表面に分子バーコードとして,環状RGDペプチドという分子(リガンド分子)を付ける(図13).このペプチドは腫瘍血管内皮細胞および癌細胞に特異的に発現するインテグリンという蛋白質に結合する.これを使えば図14に示すようにして血管内皮細胞を抜けて外へ出ることができる.

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図13 分子バーコード付きミセルの製作 (提供:片岡氏)

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図14 ミセルが血管内皮細胞を通り抜ける仕組み (提供:片岡氏)

 こんな旨いことができるのかということで実証実験を行った.同じ30nmのミセルで片方は環状RGDを導入し(赤),他方は導入しない(青)2種類を混ぜてマウスに注射した場合の脳腫瘍へのミセルの侵入の状況を調べたもので,図15に結果を示す.写真は注射5分後と5時間後の腫瘍内のミセルの集積状況を生体内共焦点顕微鏡で観察している.5分後は血管内に両方のミセルが存在して黄色である.5時間後は腫瘍組織内が赤になり,環状RGD導入ミセルだけが血管の外へ出たことが分かる.両者ミセルの寸法は同じなので,血管壁の隙間から出たのではないことが明確になった.即ち,EPR効果が利用できない癌に対しての対処手段が見つけられたことになる[4].

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図15 環状RGD導入ミセルの脳腫瘍への集積(生体内共焦点顕微鏡による観察) (提供:片岡氏)

5.4 癌幹細胞の標的治療に向けて

 癌幹細胞は化学療法治療において完治を困難にする根源である.これを殺さない限り癌は治らないといわれている.それが困難な理由は,癌幹細胞が次の特徴を持つからである.

 (1)物理的に癌の深部で,低酸素領域に存在
 (2)薬剤排出蛋白質を発現するので,薬剤が細胞内に入らない
 (3)薬剤耐性を持っている

 現在,癌幹細胞を選択的に治療する薬の開発は進められているが,有効性と安全性に問題がある.片岡氏は,この問題にも高分子ミセル型DDSを利用し,癌幹細胞の標的治療により解決することを考えた.すでに議論してきたように,高分子ミセルの持つ

 (1)寸法制御に基づく優れた組織浸透性
 (2)リガンド分子の付与によるターゲッティングと細胞内取り込み効率向上
 (3)環境応答性の付与(トロイの木馬形式)により,深部まで行って薬剤放出

の特徴により癌幹細胞の標的治療が可能である.最近,癌幹細胞が高発現していて治癒が困難と云われる中皮腫を対象として,癌幹細胞に効くと云われる分子標的薬を使う試みが行われているが,片岡氏はこの薬をミセルに封入した.マウスによる実験で,細胞を移植したマウスはそそままでは死んでしまう.薬をそのまま投与した場合若干効果がみられるが捗々しくない.しかしこれをミセルに入れて投与した場合は70日間全数生存した.これは人間の7年間に相当する.このことから完全治癒したとみなしてもよいと考えられる.

6.遺伝子・核酸薬治療への展開

 以上に述べた方法論は抗癌剤だけでなく遺伝子や核酸医薬にも適用できるものであり,応用展開を図っているとのことで、その概要は以下の通りである.

 遺伝子・核酸薬治療は,脳や脊髄などの中枢神経系疾患治療への応用が広く期待されている.DNAが保持する遺伝子情報はメッセンジャーRNA(mRNA)に転写され,mRNAは遺伝子情報に基づいて神経細胞においてもその生存や機能にかかわる蛋白やペプチドを生産させる機能を持つ.しかしmRNAは極めて不安定で生体内では急速に分解されてしまうことと,自然免疫機構を刺激して生体内に強い炎症反応を引き起こすことから,mRNAの治療応用は難しかった.片岡氏はここに癌治療で開発した高分子ミセルの手法を適用することを試みた.

 生体適合性を持つ親水性の高分子(ポリエチレングリコール)とカチオン高分子のブロックが結合したブロックポリマーとアニオン高分子であるmRNAの水中での自己組織化によりmRNA内包のミセル型ナノデバイスを製作した.ミセルは生体適合性の高いポリエチレングリコールに密に被われているので,生体内での異物認識による免疫反応を受けることなく,mRNAを細胞質へ送り届けることができる.

 このナノデバイスを図16に示すように脳脊髄組織のくも膜下腔へ投与した.血液への投与では前述のように血液脳関門がありミセルが通り抜けできないからである.その結果図の棒グラフに示すような蛋白の発現が見られた.この発現蛋白の分泌は投与後5日間にわたって確認されたとのことで,中枢神経系疾患治療を行う可能性が示されたとしている.この試みはルシフェラーゼというモデル蛋白を使ったものであるが,これから治療用の蛋白に切り替えて動物実験を行おうとしている.この成果はアルツハイマー病,脊髄損傷など治療が困難な疾患・外傷に対する画期的新治療法の開発に繋がるものと考えていると片岡氏は語る.

 なお,この研究は次に紹介する,内閣府の最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)の中で行われているとのことである[5][6].

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図16 mRNA内包のミセル型ナノデバイス投与による脳脊髄組織での蛋白発現 (提供:片岡氏)

7.ナノ医療による診断・治療イノベーションを目指して

 片岡氏は,癌を初めとする難治疾患に対して,高級で高価な特殊技術や装置による治療ではなく,経済的で効率的な,誰でも,何処でも,何時でも気軽に受けられる治療を可能にするという理想の実現を目指している.2005年度?2009年度に東京大学ナノバイオ・インテグレーション研究拠点の拠点長として推進した研究を経て,2009年度スタートした最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)「ナノバイオテクノロジーが先導する診断・治療イノベーション」の中心研究者としてプロジェクトの推進を行っている[7].研究の出口を明確にして,社会還元を図るものである.

 FIRSTプログラムでは,片岡氏がこれまで研究開発を進めてきた高分子ミセルの技術を中心に据え,その発展形である超分子ナノデバイスやプロジェクト研究者独自のナノバイオテクノロジーを発展させ,癌を始めとする難治疾患の超早期診断から根本治療,低侵襲治療,迅速社会復帰までをシ−ムレスに実現する診断・治療システムを創出することを目的とする.そのため次の4サブテーマの研究開発を推進すると共に,全サブテーマを横断する社会還元推進研究を行う.

(I)ナノ診断システムの創成
マイクロRNAを癌マーカーとする迅速・低侵襲な超早期癌診断法の確立とナノ診断デバイスの開発.

(II)ナノDDSの創成
高分子ミセルを進化させた超分子ナノデバイスの創成による制癌剤・核酸医薬のピンポイントDDSを開発.イメージング機能搭載のナノデバイスにより,予測治療や迅速効果判定を可能とする.

(III)ナノ低侵襲治療システムの創成
物理エネルギーにより遠隔操作可能な診断・治療一体化型ナノデバイスの創製と,低侵襲かつ高信頼性の精密ナビゲーション外科治療の確立.

(IV)ナノ再建システムの創成
組織再建を強力に促進するシグナル因子を包含したナノDDSの開発と,ナノDDS配置型硬組織・軟部組織用インプラントデバイスの開発.

 このプロジェクトの特徴は,産学官連携の下,医薬工の分野融合により遂行されるものであり,プロジェクトの推進により,医療関連分野における日本発の新市場・新産業の創出を促し,医療を日本の基幹産業へと育てることを狙っている.

 片岡氏の高分子ナノナノデバイスの各種難治癌への対応の仕組みは,基礎研究と医療現場との繋がりにより実現しており,社会ニーズに応えるべく順次臨床治験に移行している.図17に示すように,薬剤が商品として承認されるためには臨床治験を第I相から第III相までステップを踏んで成功させる必要がある.第I相(20人規模)では安全性をクリアできるか,第II相(50?60人規模)では有効性をクリアできるか,第III相(500人規模)は商品としての価値が問われる.上述紹介のEPR効果が発揮できる癌にたいして有効な5種の抗癌剤(表1)を内包するミセルについて臨床試験が行われており、進行状況が図17に記入されている.抗癌剤の種類によって国内で臨床治験ができない等の理由で海外でも実施するなどの国際協力体制も組まれている(表1).

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図17 高分子ミセル型ナノデバイスの臨床治験への移行(2010?2012) (提供:片岡氏)


表1 高分子ミセル型ナノデバイスの臨床治験抗癌剤について (片岡氏提供資料より作成)
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 これらの臨床試験にたいしてFIRSTプロジェクトは,抗腫瘍効果の増強や副作用の軽減の実証などにより投与法や癌種等の方向づけを行い,臨床治験を加速させている.また,厚生労働省の平成24年度の革新的医薬品等ガイドライン策定事業に「ナノテクノロジーを基盤とした革新的医薬品に関する評価方法」(北海道大学,東京大学,国立医薬品食品衛生研究所,医薬品医療機器総合機構)が採択され,臨床治験が強化されている.

8.むすび

 片岡氏は自らの研究開発を,かっての「月に向かうアポロ計画」に擬えて「ミクロコスモスのアポロ計画」であると語っている.人体の細胞の内部に及ぶミクロな生態,ウイルスの怪しげな活動メカニズムなどの自然の神秘をミクロな世界で捉え,人工的に同じ環境で活動するデバイスを創出する話を伺った.

 目的は,人類の生存の最大の課題の一つである癌などの難病に対する革新的治療法の創出であり,それも,誰もが必要に応じて受けられる治療である.片岡氏の言葉を借りれば高級車のフェラーリではなく大衆車のハイブリッドカーであり、長期入院治療が日帰りも可能な治療になるとのことである.

 これを可能にするのは,ナノ高分子技術の工学と病理学等の医学,さらには医療現場との連携によるものであり,医薬工の融合領域の形成によるものである.ナノバイオからはじまりナノ医療の世界が開拓されつつある.そのことが,世界的にも評価されていることは,冒頭に述べたフンボルト賞受賞にも表れている.片岡氏が期待している新しい産業が育ち,新しい医療文明が生まれ,人類がこれを享受できる日が来ることが待たれる.

参考文献

[1] Horacio Cabral, Nobuhiro Nishiyama, Kazunori Kataoka, "Optimization of (1,2-diamino-cyclohexane) platinum(II)-loaded polymeric micelles directed to improved tumor targeting and enhanced antitumor activity", Journal of Controlled Release, Vol. 121, Issue 3, 146-155 (2007).
[2] Mami Murakami, Horacio Cabral, Yu Matsumoto, Shourong Wu, Mitsunobu R. Kano Takao Yamori, Nobuhiro Nishiyama and Kazunori Kataoka, "Improving Drug Potency and Efficacy by Nanocarrier-Mediated Subcellular Targeting", Sci Transl Med, Vol. 3, Issue 64, p. 64ra2 (2011).
[3] H. Cabral, Y. Matsumoto, K. Mizuno, Q. Chen, M. Murakami, M. Kimura, Y. Terada, M. R. Kano, K. Miyazono, M. Uesaka, N. Nishiyama & K. Kataoka, "Accumulation of sub-100 nm polymeric micelles in poorly permeable tumours depends on size", Nature Nanotechnology, Vol. 6, 815-823 (2011).
[4] Y. Miura, T. Takenaka, K. Toh, S. Wu, H. Nishihara, M. R. Kano, Y. Ino, T. Nomoto, Y. Matsumoto, H. Koyama, H. Cabral, N. Nishiyama, K. Kataoka, "Cyclic RGD-linked polymeric micelles for targeted delivery of platinum anticancer drugs to glioblastoma through the blood-brain tumor barrier". ACS Nano, Article ASAP, DOI: 10.1021/nn402662d (2013).
[5] “脳脊髄神経系へのメッセンジャーRNA(mRNA)送達”東京大学プレスリリース,2013.3.7.
   http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/todai-research/research-news/in-vivo-mrna-introduction-into-central-nervous-system/

[6] Satoshi Uchida, Keiji Itaka, Hirokuni Uchida, Kentaro Hayakawa, Toru Ogata, Takehiko Ishii, Shigeto Fukushima, Kensuke Osada, Kazunori Kataoka, "In vivo messenger RNA introduction into the central nervous system using polyplex nanomicelle", PLoS ONE 8(2): e56220. doi:10.1371/journal.pone.0056220 (2013).
[7] ナノバイオファースト,Vol. 1, April 2011.

(向井 久和)

 

  

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