JAEA微細構造解析プラットフォーム (日本原子力研究開発機構)
日本原子力研究開発機構はSPring-8の放射光ビームラインを用いて,ナノテクノロジー研究を支援し,ナノテクノロジープラットフォーム事業を推進します.
事業の紹介
放射光は加速器中を高速で走る電子から放射される電磁波で,高輝度,高強度,広エネルギー範囲,偏光,高指向性,パルス光など多くの特性を持ちます.これらの特性は通常の光源を用いたのでは実施困難な研究開発を可能にしてくれます.そのため放射光は基礎科学から産業利用までの多くの分野において,不可欠なツールとなっています.
日本原子力研究開発機構は兵庫県播磨科学公園都市にある世界最大の第三世代放射光施設SPring-8に4本の専用ビームライン(BL11XU,BL14B1,BL22XU,BL23SU)を所有しています.これらは従来から共用設備として外部の研究者の方にもお使いいただいています.微細構造解析プラットフォームの実施機関となったことで,さらに外部ユーザーへの支援を充実させていきます.
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共鳴X線非弾性散乱装置 湾曲結晶アナライザーを用いた非弾性X線散乱実験装置.エネルギー分解能はCu K吸収端で約200meV.物質中の電子のエネルギーと運動量状態を解析可能.入射X線の偏光制御,散乱X線の偏光解析によって,励起軌道状態を識別できる. 利用例:白金の価電子帯電子状態密度と触媒活性の研究. | 表面X線回折計 X線回折装置に分子線結晶成長装置(MBEチェンバ)を搭載した装置.MBEチェンバ中での原子層単位で制御した結晶成長過程をリアルタイムで観察可能.X線回折計は表面構造解析用に設計されており,微小角入射X線回折法,X線反射率測定,CTR散乱測定などが可能.現在のMBEチェンバはIII-V族化合物半導(Ga, In, Sb, Asなど)用蒸着用ポートを備えている.2015年度から窒化物半導体製膜用チェンバの供用開始を予定. 利用例:半導体量子ドット成長過程のリアルタイム観察. |
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κ(カッパ)型X線回折計 多目的用途に設計されたX線回折計.特に種々の電気化学測定装置を搭載して,電気化学条件を制御しながら電極表面や電極/電解液界面構造のその場観察が可能. 利用例:充放電による二次電池電極表面構造変化のその場観察. | 表面化学実験ステーション 光電子分光用アナライザー(オミクロン社EA125アナライザー)をはじめ,LEED,AES,STM,AFMなどの表面観察用装置,Ar+イオン銃や加熱システムなどの表面清浄化のための装置,四重極質量分析器などの生成物分析装置を備え,150~1450Kの温度範囲での表面化学反応の実時間その場観察が可能.超音速分子線を用いて極薄膜形成に与える吸着分子の運動エネルギーの効果を検証することができる. 利用例:グラフェン,高品質窒化膜,極薄酸化膜などの形成過程のその場光電子分光解析. |
ニュース
本事業の共用設備
成果事例
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