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ナノテクジャパン

第18回ナノテクノロジー総合シンポジウム(JAPAN NANO 2020)開催

 第18回ナノテクノロジー総合シンポジウム」が「ナノテクノロジーが切り拓く量子・バイオ・AI技術」のテーマのもとに,文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業(NPJ)の一環として,2020年1月31日,東京ビッグサイトで開催された.この事業は,三つの技術領域:微細構造解析/微細加工/分子・物質合成ごとにプラットフォーム(PF)を設け,最先端の研究設備の共用体制を構築することにより,我が国のナノテクノジー研究の発展・イノベーションの創出に寄与することを目指している.今回のシンポジウムでは,NPJの成果を紹介するとともに,ナノテクノロジーとAI,バイオテクノロジー,量子科学との連携,システム化と産業応用について展望した.

 開会の挨拶では,文部科学省 研究振興局 村田 善則 局長が,Soc. 5.0のコア技術の一つであるナノテクノロジーを推進するNPJに投資してきたことで,産学連携でも成果を挙げてきているので,今後も円滑な運営を期待すると述べた.また,NPJのセンター機関である物質・材料研究機構(NIMS)の橋本 和仁 理事長は,これまでのNPJの8年を振り返り,NPJは共用を通じて融合研究の核となった,今後はAIを活用した材料創成のデータ蓄積の核となり,新たな先端技術プラットフォームの全国体制に発展することを期待すると語った.

 これに続き,2014年ノーベル物理学賞受賞の名古屋大学 教授 天野 浩氏が「カーボンエミッションゼロを目指した取り組み」と題する基調講演,一般社団法人 産業競争力懇談会五十嵐 仁一氏が,「エネルギー革新に向けたMI基盤の構築」と題する特別講演を行った.

 続いて,次表の通り量子と生命科学のセッションに始まり,nano tech 2019大賞受賞者の講演,海外ナノテク共用事業の紹介,NPJの成果と展望,AI/ナノテクの産業応用の報告が行われた.

 これらの概要を紹介するシンポジウム開催報告は,追ってNanotech Japan Bulletin(https://www.nanonet.go.jp/magazine/)に掲載される.

セッション講 演 題 目講 演 者
1量子と生命科学ダイヤモンド量子センサの可能性波多野 睦子(東京工業大学)
生命科学を革新するナノおよび量子技術による磁気共鳴イメージング青木 伊知男(量子科学技術研究開発機構)
2nano tech 2019大賞受賞者講演リチウムイオン電池のデジタル印刷を目指して後河内 透(株式会社リコー)
3海外ナノテク共用施設・研究成果紹介NNCI とコンバージェントテクノロジーDaniel J. C. Herr (Joint School of Nanoscience and Nanoengineering, USA)
4ナノテクノロジープラットフォームの成果と将来展望イントロダクション田沼 繁夫(物質・材料研究機構)
微細構造解析
電子顕微鏡による構造解析手法を用いたバイオ研究
松尾 保孝(北海道大学)
微細加工
共用設備を基盤としたオープンコラボレーションによる研究開発支援
戸津 健太郎(東北大学)
分子・物質合成
ナノテクノロジーとバイオ・量子・AI 融合領域の支援成果とナノテクノロジープラットフォームの将来展望
馬場 嘉信(名古屋大学)
5Beyond Nano・AI / ナノテクノロジーのシステム化と産業応用機械学習を使った材料探索の最新動向と今後の展望岡野原 大輔(株式会社 Preferred Networks)
自動車におけるナノテクノロジー:ナノマテリアルと部品・ユニット平田 裕人(トヨタ自動車株式会社)