ファインマン教授の講演
「There's Plenty of Room at the Bottom」
リチャード・ファインマン教授がカリフォルニア工科大学でのアメリカ物理学会で「There's Plenty of Room at the Bottom」という講演を行いました。
「ナノスケール領域にはまだたくさんの興味深いことがある」と題されたこの講演の主題は、原子数個というナノスケール領域では、マクロな世界とは全く違う性質が現れるだろうということです。
彼はその研究を行うことは、人類にとって大変重要なことだと主張しています。
そして、将来は原子を1つずつ配置して思い通りの物質を作れるようになるだろう、と予言しています。
これがナノテクノロジーの始まりと考えられています。
ゲラルド・ビニッヒ博士とハインリッヒ・ローラー博士によりSTM(走査トンネル顕微鏡)が発明されました。
STMでは探針を試料表面に近づけ、トンネル電流を測ることにより、表面の原子一つ一つを観測します。これにより、ナノの世界をはっきりと見ることができるようになりました。この2人はこの発見により1986年にノーベル物理学賞を受賞しました。
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