【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.04.10】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24TU0008
利用課題名 / Title
シリコン光カプラの開発
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
シリコンフォトニクス、イオン注入,CVD,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
吉田 知也
所属名 / Affiliation
国立研究開発法人産業技術総合研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-105:中電流イオン注入装置
TU-001:エッチングチャンバー
TU-002:有機ドラフトチャンバー
TU-215:イオンミリング装置
TU-155:SPPテクノロジーズ TEOS PECVD
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
近年、情報通信分野において、大規模データ処理を支えるハイパースケールデータセンターの発展に伴い、高速かつ高効率なデータ通信ネットワークの構築が求められている。その中で、半導体微細加工技術を活用して製造される高集積なシリコン光集積回路(Si photonic integrated circuit)に対する期待が高まっている。
本研究では、シリコン光集積回路において、従来困難とされてきたチップ表面からの高効率な光の入出力を実現するため、革新的な光カプラ技術「エレファントカプラ」の開発を進めている。エレファントカプラは、シリコン光導波路の先端を立体的に湾曲させる独自構造を有する光カプラであり、この曲げ構造はイオン注入による応力制御技術を用いて形成される。
本研究では、イオン注入を用いた曲げ加工技術の最適化を目的として、試作コインランドリーに設置された中電流イオン注入装置を用いて、イオン注入レシピの開発を進めている。さらに、光学性能を向上させるため、CVD(Chemical Vapor Deposition)やイオンミリング技術を活用し、微細レンズの形成とデバイス試作を実施している。本技術の確立により、シリコン光集積回路のさらなる高性能化とデータ通信ネットワークの効率向上が期待される。
実験 / Experimental
エレファントカプラは、シリコン光集積回路を作製した後に付加的な加工を施し、表面型の光カプラを形成する技術である。(a) まず、シリコン光集積回路を作成した後、(b) シリコン光導波路の先端を片持ち梁構造に加工する。この片持ち梁構造の部分がイオン注入によって湾曲加工される領域であり、その上に形成されるタングステン(W)薄膜の遮蔽膜がイオンビームを遮蔽し、高精度な曲げ加工をアシストする役割を担う。(c) 次に、イオン注入によってシリコン片持ち梁を湾曲加工する。イオン注入のエネルギーによって応力生成深さを、ドーズによって応力生成量を制御し、さらに注入角度やウェハ回転角を調整することで、鍛冶屋のように曲げ形状を繊細に調整することが可能である。(d) 最後に、CVDによってガラスレンズ構造を形成し、エレファントカプラが完成する。
結果と考察 / Results and Discussion
レシピ開発においては、試作コインランドリの機動力の高い装置を用いることで効率的に実施することが出来ている。
今年度は、いくつかの光デバイス向けのエレファントカプラの曲げ加工レシピの開発を、中電流イオン注入装置・イオンミリング装置・CVD装置などを利用して実施した。本技術の確立により、シリコン光集積回路のさらなる高性能化とデータ通信ネットワークの効率向上が期待される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
無し
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件