【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.04.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24NU0401
利用課題名 / Title
スピロビフルオレンの連結に基づく新奇３次元π共役系分子の創成
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
エレクトロデバイス/ Electronic device, 質量分析/ Mass spectrometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
雨夜 徹
所属名 / Affiliation
名古屋市立大学大学院理学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators Excluding Supporters in the Hub and Spoke Institutes
今井友也,小林世佳,中薗里菜,田畑愛美
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Supporters in the Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-018：MALDI TOF型質量分析装置
NU-004：走査型電子顕微鏡（SEM）
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ユニーク且つ未踏のジオメトリー有するπ共役系化合物をスピロビフルオレンの連結を基軸とし創成する。このようにスピロビフルオレンを含む分子群では、空間を介した軌道相互作用（スピロ共役）による空間的な共役が期待できる。これらの分子の特性を追求し、３次元π共役系の科学を拓く。
実験 / Experimental
有機合成手法を用い、織り構造モチーフの単位ユニットジオメトリーを有するキラル環状[3]シラスピロビフルオレニレンを合成した。その化合物をMALDI-TOF-MSにより分析し、構造を確認した。また、折り畳まれることにより８の字型のジオメトリーを有するキラル環状[6]スピロビフルオレニレンも合成した。この化合物もMALDI-TOF-MSにより分析し、構造を確認した。
結果と考察 / Results and Discussion
織り構造モチーフの単位ユニットジオメトリーを有するキラル環状[3]シラスピロビフルオレニレンの合成に成功した。この化合物は、強い紫色発光を示し、発光量子収率は８０％と良好な発光材料であることが明らかになった。また、キラル構造に基づく円偏光発光を示しその非対称性因子は、１０ー３オーダーであった。有機発光分子としては、中程度の値である。また、円偏光発光挙動について、DFT化学計算により考察し、励起状態で１つのビフルオレニルユニットが平面化していることが示唆された。また、DFT計算からスピロ共役が示された。折り畳まれることにより８の字型のジオメトリーを有するキラル環状[6]スピロビフルオレニレンの合成にも成功した。この化合物は６つのキラルスピロビフルオレンが連結し環状構造になったものであるが、６角形型の構造が最安定構造ではなく、分子構造が折り畳まれた２回対称性の構造が最安定構造であることがDFT計算より明らかになった。実際、低温NMR実験から、この２回対称性構造に矛盾ない結果が得られた。また、DFT計算からスピロ共役が示された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
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Rina Nakazono, Synthesis and Characterization of a Cyclic Trimer of a Chiral Spirosilabifluorene, Chemistry – A European Journal, 30, (2024).
DOI: 10.1002/chem.202401343
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Seika Kobayashi, Synthesis and characterization of a chiral spirobifluorene cyclic hexamer, Bulletin of the Chemical Society of Japan, 97, (2024).
DOI: 10.1093/bulcsj/uoae098
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 中薗里菜・胡 維哲・廣瀬崇至・青栁 忍・雨夜 徹、”キラル環状スピロシラビフ ルオレニレンの合成とキロ プティカル特性”、第34回基礎有機化学討論会、口頭発表、札幌コンベンションセンター、2024.9.11-13
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件