利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24MS5027

利用課題名 / Title

表面・界面の分子振動分光

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

表面活性化接合,サファイア,ハイブリッドボンディング/ Hybrid Bonding


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

瀬戸 啓介

所属名 / Affiliation

分子科学研究所 電子構造研究部門(杉本G)

共同利用者氏名 / Names of Collaborators Excluding Supporters in the Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Supporters in the Hub and Spoke Institutes

兵藤 由美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-225:顕微ラマン分光


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

レーザーなどのデバイスでは、駆動中にアクティブマテリアルの発熱を伴う。特に高パワーで駆動する際には特性の変化を最小限にするため放熱が問題になる。そこでアクティブマテリアルであるYAG結晶と放熱性に優れたサファイアなど異種材料を接合するのが、高パワーでの駆動を達成するのに有効である[1]。
熱抵抗が大きな接着剤を使用することなく、材料を直接接合する技術として、超高真空化で高速原子ビームを照射し、材料表面活性化したのちに接合させる技術が研究開発されている[2]。しかしながら、その分子・原子論的メカニズムは明らかになっていない。本課題では、高感度な非線形ラマン分光法を活用して表面の振動スペクトルを計測し、表面活性化接合のメカニズムを明らかにし、より強固な接合技術の指針を得る。
この計測の際に、表面の信号と併せて、バルクの信号が現れる。信号の帰属のためにバルク状態のラマンスペクトルを取得した。

実験 / Experimental

これから我々の非線形ラマン分光測定を実施するサファイアの自発ラマンスペクトルを取得した。我々の非線形ラマン分光系と近い配置とした。また、バルク由来のラマンバンドが最小となる方位があるか検討するため、結晶を回転させてスペクトルを取得した。
10×10×3 mmのサファイア結晶を回転ステージにセットし、その回転ステージを顕微ラマン分光計のステージにセットした。励起レーザーはc面(0001)から入射した。励起波長は532 nmとした。観測側には偏光子を挿入し、励起光と平行な偏光配置の測定をした。

結果と考察 / Results and Discussion

強いラマンバンドが754, 580, 452, 432, 421, 381 cm-1に現れた。このうち、421 cm-1バンドが最も強く、A1gモードに帰属されている[3]。他のバンドはEgモードである。これら全てのバンドは、結晶を回転させてもほとんど強度が変化しなかった。また、側面から入射した場合は、A1gモードの648 cm-1バンドを生じた。 我々の非線形ラマン測定では、パルスレーザーを斜め入射し、反射光の観測をする。この場合、上記に現れた全てのバンドがバルク由来として現れると考えられる。また、このバルク由来の信号は、結晶を回転させても低減させることは期待できないことが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] L. Zheng et al., Opt.Express 27(21) (2019) 30217-30224,
[2] 須賀 応用物理 89(9) (2020) 498-508.
[3] M. C. Munisso et al., Physica Status Solidi B 246(8) (2009) 1893-1900.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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