利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.16】【最終更新日:2025.01.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1177

利用課題名 / Title

侵食熱電対による機械加工点近傍の温度の直接計測

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

切削,CVD,PVD


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

杉田 直彦

所属名 / Affiliation

東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

木崎 通,王 超

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-709:パリレンコーター


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

研削加工は高精度かつ高能率な加工が特徴であり,主に仕上げ加工に利用される.しかし,加工時の著しい発熱がワークの品質を低下させる.一般に高圧のクーラントを大量に供給し冷却を行うが,クーラントはコストや環境への悪影響[1]の観点から削減が求められている.しかし,加工能率を下げずに,クーラントを使用しないドライ研削は実現されていない.加工中の工作物表面の温度を計測するため,浸食熱電対を開発した.浸食熱電対は素線の周囲に絶縁薄膜を成膜した状態で,工作物中に埋め込むことにより,加工面の温度を直接計測する方法である.冷却液に起因するノイズの影響を避けるため,2極の熱電対を設置した.パリレンの特性である”熱接合”を用いることで,これを実現した.

実験 / Experimental

円筒形工作物に対する乾式研削における比研削エネルギーを求めるため, 研削面の温度と研削力の計測を行った(Fig. 1). 実験では円筒形状工作物に荒加工と仕上げ加工を行い, 荒加工ではクーラントを供給し, 仕上げ加工では乾式研削を実施した(Fig. 2). 実験では砥石の傾斜角度を変化させて, 砥石回転数4000rpmで取り代が5um - 10 umの条件で実験を行った.  実験では二極熱電対温度センサー[2]及びKistlerの回転式動力計を用いて測定を行った.この二極熱電対を製作する際にパリレンコータを使用した.浸食熱電対(Eroding thermocouple)と呼ばれるものであり,二極間の間隔を5 μmまで小さくする必要がある.素線の周囲に2.5 μmのパリレンを成膜し,その後二本の素線間を熱接合する.このようにすることで浸食熱電対を製造することが可能となった.

結果と考察 / Results and Discussion

実験では温度の取得を試みたものの,今年度は取得するには至らなかった.原因として,円筒形工作物であったため切込み深さを大きくとることが難しく,5 um - 10 umという小さな切込み深さを設定したことが挙げられる.
今後は15 um以上の大きな切込み深さを設定し,加工実験を実施したいと考えている.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


実験に用いた研削砥石と円筒形工作物の位置関係



実験の様子


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] Ghosh, S. et al. International Journal of Machine Tools and Manufacture 48.11 (2008): 1242-1253.
[2] Kizaki, T., Takahashi, K., Katsuma, T., Shu, L., Sugita, N., 2020, Prospects of dry continuous generating grinding based on specific energy requirement, J. Manuf. Process., 61/June 2020:190–207.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Toru Kizaki, On reduction of energy flow into workpiece in continuous generating grinding, CIRP Annals, 71, 277-280(2022).
    DOI: https://doi.org/10.1016/j.cirp.2022.04.076
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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