【公開日：2025.06.16】【最終更新日：2025.06.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23JI0057

利用課題名 / Title

Tcが増大した二次元超伝導体NbTe₂のXPS測定

利用した実施機関 / Support Institute

北陸先端科学技術大学院大学 / JAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed（副 / Sub）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

X線光電子分光装置/島津製作所 Kratos AXIS-ULTRA DLD,センサ/ Sensor,超伝導/ Superconductivity

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

吉田 靖雄

所属名 / Affiliation

国立大学法人金沢大学理工研究域数物科学系

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小畑 由紀子,下川 貴也

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

村上 達也

利用形態 / Support Type

（主 / Main）技術代行/Technology Substitution（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

JI-013：X線光電子分光装置

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

遷移金属ダルカルコゲナイド物質NbTe₂はT_C=0.5 Kの超伝導体であると知られている。我々はこの物質を異なる二つの手順で結晶育成したところ、先行研究と同じT_C=0.5 Kを持つ試料と、T_C~2 Kと４倍近く高いT_Cを持つ試料が得られた。この物性を様々な物性測定手法で調べたところ、T_CにおT_Cキャリア濃度が増え、さらにユニットセルの体積が増大していることが明らかになった。このユニットセルの増大がT_Cの増大に関係しているであろうこと考えられるが、その理由としてNbの価数が異なるイオンが含まれている可能性を考えた。一般的にはNb⁴⁺が結晶を構成しているが、イオン半径の大きいNb⁵⁺が多く含まれているとユニットセルの増大に関係する可能性が考えられる。

実験 / Experimental

村上氏に協力していただき、下川、小畑が測定に参加した。測定には我々が作成したT_Cが増大した試料と標準的な試料、さらに標準試料としてHQ-Grapheneという企業から購入した試料を用いて測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

T_Cが増大した試料と標準試料との間でNb⁴⁺とNb⁵⁺の比に明確な違いが見られ、T_Cが増大した試料おいては、イオン半径が大きいNb⁵⁺の比率が相対的に増えていることが明らかになった。この結果は我々の予想通りの結果であり、Nbの酸化がNbTe2のT_C増大を引き起こす可能性を示せたと考えている。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

1. 森山曉栄、島村一利、N. A. Purba、小畑由紀子、吉田靖雄、絶縁体基板上に蒸着させたMn薄膜の界面観察、日本物理学会第78回年次大会、16pPSA-2、東北大学、2023年9月
2. 森山曉栄、島村一利、N. A. Purba、小畑由紀子、吉田靖雄、絶縁体基板上に蒸着させたMn薄膜の界面観察、第６回日本表面真空学会若手部会研究会、P22、名古屋大学、2023年10月
3. 森山曉栄、小畑由紀子、島村一利、吉田靖雄、Mn/FeSeヘテロ接合における長距離近接効果の観察、日本物理学会第79回年次大会、18aPS-32、北海道大学、2024年9月
4. 森山曉栄、小畑由紀子、島村一利、吉田靖雄、Mn/FeSeヘテロ接合における長距離近接効果の観察、2024年度日本物理学会北陸支部定例学術講演会、C-p1、金沢大学、2024年11月
5. A. Moriyama, K. Shimamura, N. A. Purba and Y. Yoshida, Atomistic study of MBE-grown Mn thin films on insulating substrates, The 9th International Symposium on Organic and Inorganic Electronic Materials and Related Nanotechnologies (EM-NANO 2023), PC53, Ishikawa Industrial Promotion Center, Kanazawa, Japan, June 2023
6. A. Moriyama, K. Shimamura, N. A. Purba, Y. Obata and Y. Yoshida, Atomic study of MBE-grown Mn thin films on insulating substrates, JAIST International symposium of Nano-Materials for Novel Devices, A-05, Kanazawa Chamber of Commerce and Industrial Hall, Kanazawa, Japan, January 2024

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件