【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.05.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24NU0061
利用課題名 / Title
Al-SUS接合破断試料の破断面の酸化膜およびその周辺の断面TEM観察とFIB加工
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
鍛造固相接合,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology,溶接技術/ Welding technology,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
湯川 伸樹
所属名 / Affiliation
名古屋大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
岡本悠生
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
樋口 公孝
利用形態 / Support Type
（主 / Main）技術代行/Technology Substitution（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-102：高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム
NU-105：バイオ/無機材料用高速FIB-SEMシステム
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
SUS304/A1070を鍛造固相接合し, その接合強度を測定するために引張試験を行った. 試験後のSUS304側の破面をSTEM-EDSで観察することで, 酸化被膜やアルミの分布, 金属間化合物層の厚さ等を定量的に評価しようと試みた.
実験 / Experimental
・ETHOS NX5000破面からFIB加工を行うことで, TEM観察用の試験片を製作した.・JEM-ARM200F Cold ETHOS NX5000で製作したTEM試料を観察した.
結果と考察 / Results and Discussion
引張試験後の破面は, 鍛造前の酸化被膜が残存してる酸化被膜部と, 表面積拡大により酸化被膜が破れた新生面露出部の二つに分けられる. 新生面露出部と酸化被膜部からFIB試料を切り出し, その断面をTEMにより観察して表面の状態を観察した. その結果をFig.1に示す. 新生面露出部には非常に薄いアルミの層の付着が確認された. 一方で, 酸化被膜部にはアルミの付着は観察されなかった. この結果から, 新生面が露出している部分では, 凝着していない部分においてもアルミとステンレスが接合していたことが分かった.次に, アルミがステンレスに凝着している部分の接合界面をFIBで切り出し, その断面をSTEM-EDSで観察した. 観察結果をFig.2に示す. 接合界面上には酸素の分布が観察されなかったことから, Bayのモデル1) 通りに, 酸化被膜が破れた隙間で金属同士が接触・接合していることが分かった. 接触した後は極わずかに相互拡散を引き起こし, 20nm程度の拡散層が形成されたと考えられる.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 酸化被膜部, 新生面露出部のEDS分析結果
Fig.2 接合界面におけるEDS分析結果
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
用語 鍛造固相接合：金属同士を重ね, 鍛造することで接合させる, 固相接合法の一種. 鍛造で金属母材を塑性変形させることで表面積を拡大させ, それに伴い酸化被膜を破壊する. 破れた酸化被膜部の隙間から露出した新生面露出部を接触させることで接合する. 効率的な異種金属同士の接合へ活用が期待されている.参考文献1) Bay, N. :Trans. ASME, J. Engn. Ind, 101, 2(1979,121)技術支援者名超高圧電子顕微鏡施設 樋口公孝論文
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- N. Yukawa, 鉄鋼協会 2024年秋季講演大会, 令和6年9月
- H. Okamoto, Metal Forming 2024 conference, 令和6年9月
- H. Okamoto, 第75回塑性加工連合講演会, 令和6年11月
- H. Okamoto, 第34回 材料フォーラムTOKAI, 令和6年11月15日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件