【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.05.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24NU0067
利用課題名 / Title
Mg-Al複合酸化物を担体とした担持型Ni触媒の観察
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion（副 / Sub）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
電極材料/ Electrode material,ナノ粒子/ Nanoparticles,電子顕微鏡/ Electronic microscope,二次電池/ Secondary battery,燃料電池/ Fuel cell
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
永岡 勝俊
所属名 / Affiliation
名古屋大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
上田 祐司,佐藤 勝俊
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
樋口 公孝
利用形態 / Support Type
（主 / Main）共同研究/Joint Research（副 / Sub）,機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-102：高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム
NU-103：高分解能透過電子顕微鏡システム
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
Mg2+とAl3+からなる複合酸化物を担体とした担持型Ni触媒を調製し，これのCO2水素化反応の活性を調べたところ，Al2O3を担体とした触媒よりも高い活性を示すことがわかった．反応の活性サイトはNiと考えられるため，これの担体上での分散状態などは活性に大きく影響を及ぼす．従って，サンプル間での活性差の要因を検討する上では，電子顕微鏡によって触媒の形態を観察することが重要となる．また，事前に測定したXRDの結果より，本触媒においてNi粒子は数nmオーダーの非常に小さいサイズで存在することが示唆されたため，観察は原子レベルに近い分解能をもつ装置で行うことが望ましい．そこで今回，収差補正機能付きの高分解の電子顕微鏡による触媒の形態観察を依頼した．
実験 / Experimental
各触媒粉末を乳鉢で解砕し，エタノールに分散させることで懸濁液を得た．この懸濁液をカーボン被膜がついた銅グリッドに担持，真空乾燥して観察試料とした．観察には収差補正電子顕微鏡(JEM-ARM 200F cold)を使用し，STEMモードにより担体上のNi粒子の分散性を調べた．
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1に(a) Al2O3および(b)Mg2+とAl3+による複合酸化物触媒のSTEM像を示す．Al2O3担体上には非常に幅広いサイズのNi粒子が析出している様子が観察され，大きいものは100 nmを超えた．これに対し，複合酸化物上のNi粒子はそのほとんどが5 nm程度と非常に小さかった．このようなNi粒子の析出状態の違いは，担体の比表面積や細孔径等のモルフォロジーなどが起因していると考えられる．今回の結果から，Mg2+とAl3+からなる複合酸化物触媒の優れた活性は， Ni粒子が担体上に非常に小さいサイズで分散することで活性サイト数が増大したことが一因であると推測される．
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1. STEM images of supported Ni catalysts with (a) Al2O3 and (b) Mg-Al oxide support.
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
本課題の実施にあたっては名古屋大学超高圧電子顕微鏡施設の樋口公孝技師に多大なご協力を頂いた．記して感謝申し上げる．
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件