利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24NU0267

利用課題名 / Title

Nd:LaAlO3結晶のESR線幅の測定

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

偏極標的,中性子ビーム,基礎物理実験,ESR,電子スピン共鳴


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

清水 裕彦

所属名 / Affiliation

名古屋大学大学院理学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators Excluding Supporters in the Hub and Spoke Institutes

工藤壮太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Supporters in the Hub and Spoke Institutes

井上健一

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-236:In-situ電子スピン共鳴


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

中性子ビームを利用した基礎物理実験に用いる偏極標的として、LaAlO₃(LAO)単結晶を試料としたESR(電子スピン共鳴)測定を実施した。本試料は、動的核偏極(DNP)法によって偏極されるが、その偏極増大を促す要因の一つとして、結晶中に添加されたNd³⁺イオンのESR線幅の狭さが挙げられる。測定対象のLAO結晶は、東北大学金属材料研究所にて育成されたものであり、実験ではARMI(高崎量子応用研究所)のIn-situ電子スピン共鳴装置(NU-236)を用いて、室温、外部磁場約3200 Gaussの条件下で測定を行った。
試料は3つの結晶から構成されており、結晶①は2022年にDNPによる偏極実績がある試料、結晶②および③は2024年度に新たに作製された偏極実績のない試料である。今回の測定では、結晶②および③が結晶①と同等のESR線幅を有するかどうかを調査した。

実験 / Experimental

試料は3つの結晶から構成されており、結晶①は2022年にDNPによる偏極実績がある試料、結晶②および③は2024年度に新たに作製された偏極実績のない試料である。今回の測定では、結晶②および③が結晶①と同等のESR線幅を有するかどうかを調査した。

結果と考察 / Results and Discussion

結晶①については、過去のESR測定と同様に線幅が約6 Gaussであることを確認し、再現性のある結果が得られた。結晶②は、おおよそ10 Gauss程度の線幅が確認されたものの、結晶軸の位置決め精度が低かったため、双晶由来の局所的な結晶内電場の揺らぎによりシングルピークとしての明瞭な信号は得られなかった。結晶③については、試料サイズが大きく、測定装置のサンプルボックスに対して適切に配置できなかったことから、外部磁場をC軸に正確に平行に印加することができなかった。このため、双晶構造の影響を強く受け、結晶②と同様にシングルピークは観測されなかった。
なお、結晶②および③については、いずれも中性子基礎物理実験の標的として使用する可能性があるため、結晶サイズを保持する目的で切断加工は行わなかった。軸出しの不十分さによりシングルピークは確認できなかったものの、両結晶のESR線幅は結晶①と大きく異ならず、DNPによる偏極成長が期待される結果となった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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