利用報告書 / User's Reports

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【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.04.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24KU1018

利用課題名 / Title

LDI-MSにおけるイオン化促進のための基材開発

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

ナノカーボン/ Nano carbon, 質量分析/ Mass spectrometry


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

田中 充

所属名 / Affiliation

九州大学大学院農学研究院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

金子諒右,劉卓非,古志真理子,古賀柚葵

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

柿田 有理子,増子 隆博

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-505：紫外可視近赤外分光測定装置装置群


報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では、前処理不要で溶液を滴下・風乾するだけでイオン化可能な表面支援レーザー脱離イオン化表面イオン化支援レーザー脱離イオン化質量分析（SALDI-MS）のためのイオン化支援材料としてのグラファイトシートの性能評価を目的とした。

実験 / Experimental

ポリイミドフィルムを3000℃で処理し、積層構造を有したフレキシブルなグラファイトシートを作製した。まず、イオン化支援剤としての特性評価のため、紫外可視近赤外分光測定装置 V-670（日本分光）を用いて紫外可視吸収スペクトルの測定、超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡 Hitachi HR-SEM SU8000（日立ハイテク）を用いて表面構造の評価および顕微レーザーラマン分光装置 LabRAM ARAMIS spectrometer（堀場製作所）を用いて分子構造の評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

表面構造評価により、本研究にて作製したグラファイトシートは高いUV吸収性と微細な凹凸構造およびグラファイト骨格（sp2結合）を有することが明らかになった。そこで、本シートを用いて低分子化合物の検出を試みた結果、アミノ酸、糖類、合成ポリマー、ペプチドなどの検出を達成した。さらに、醤油、牛乳、ラット血漿中の低分子成分の一斉同時検出にも活用可能であることが示された。　以上より、本研究で開発したグラファイトシートは、多様な化合物の分析に使用できる有望なSALDI-MS材料であり、グラファイトシート支援LDI-MS法は食品や生体試料中の低分子成分を網羅的かつ迅速・簡便に一斉検出可能であることが示された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Graphical Abstract


その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Zhuofei Liu, Graphite Sheet-Assisted Laser Desorption Ionization-Mass Spectrometry for Small Organic Compound Analysis, ACS Omega, 9, 27739-27747(2024).
    DOI: 10.1021/acsomega.4c04524
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 劉卓非、有馬継士郎、西木直巳、桑原涼、石谷伸治、松井利郎、田中充, "低分子有機化合物検出のためのグラファイトシート支援レーザー脱離イオン化質量分析法", 第72回 質量分析総合討論会（つくば）, 令和5年6月12日
  2. Agnes Monika Gandhes Sekarjati, Zhuofei Liu, Keishiro Arima, Naomi Nishiki, Ryou Kuwabara, Shinji Ishitani, Toshiro Matsui, Mitsuru Tanaka,” Application of graphite sheet to facilitate the detection of low molecular compounds by surface-assisted laser desorption ionization-mass spectrometry”, 第61回科学関連支部合同九州大会（福岡）, 令和5年6月29日
  3. 矢羽田 歩、劉 卓非、有馬 継士郎、西木 直巳、桑原 涼、石谷 伸治、大野 直土、今村 美穂、松井 利郎、田中 充, “低分子有機化合物検出のためのグラファイトシート支援レーザー脱離イオン化質量分析法の構築”, 第71回日本食品科学工学会大会（名古屋）, 令和5年8月31日
  4. 古志真理子、井手晴菜、劉卓非、有馬継士郎、大野直土、今村美穂、西木直巳、桑原涼、石谷伸治、松井利郎、田中充,” グラファイトシート支援レーザー脱離イオン化質量分析法を用いたしょうゆ保存温度履歴の予測アルゴリズムの構築”, 第71回日本食品科学工学会大会（名古屋）, 令和5年8月31日
  5. 田中 充、劉 卓非、有馬 継士郎、西木 直巳、桑原 涼、石谷 伸治、大野 直土、今村 美穂、松井 利郎, “低分子有機化合物の検出を可能にするグラファイトシート支援レーザー脱離イオン化質量分析法の構築”, 分析化学会第73年会（名古屋）, 令和5年9月11-13日
  6. 古志真理子、井手晴菜、劉卓非、有馬継士郎、大野直土、今村美穂、西木直巳、桑原涼、石谷伸治、松井利郎、田中充, “グラファイトシート支援レーザー脱離イオン化質量分析法と機械学習を用いたしょうゆ保存温度履歴の予測アルゴリズムの構築”, 2024年度日本食品科学工学会西日本支部(長崎), 令和5年11月10日
  7. 古賀柚葵、劉 卓非、有馬継士郎、西木直巳、桑原 涼、石谷伸治 、大野直土、今村美穂、松井利郎、田中 充, “グラファイトシート支援レーザー脱離イオン化質量分析法を用いた低分子有機化合物分析法の構築”, 2024年度日本食品科学工学会西日本支部(長崎), 令和5年11月10日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件

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