利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24NM0223

利用課題名 / Title

顕微ラマンを用いた樹脂接合面の解析

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology,赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大西 雅之

所属名 / Affiliation

三井・ダウポリケミカル株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-003:ラマン顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高分子材料は流速分布で強いせん断を受けることで流動方向に引き伸ばされ配向する。結晶性ポリマーでは配向状態が物性に影響し、加工方法などを決める上で重要なファクターとなる。これまでX線回折やラマン分光法を用いて評価している事例がある。特にラマン分光法では偏光モード用いてマッピングデータを取得することで配向性を評価している。ポリマー成型やフィルム成型において配向は重要なファクターとなる。そこで、今回顕微ラマン分光法を用いて配向性の評価を検討する。

実験 / Experimental

1. ポリエチレン成形品の評価
結晶性の高いポリエチレンを用いて評価サンプルを作製した。成形品にウェルドラインができるようにシートを成形し、接合付近をラマン分光法で測定した。
測定はレニショー社製の顕微ラマン分光装置を使用した。本測定では1/2波長板を入れ、レーザーは532 nmを使用し、対物レンズは20倍を使用した。レーザーの偏光面とウェルドラインがなす角をθとしてθを0°,45°,90°として測定した。 
2. エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)の評価
EMAAを用いて成形したアイゾット片について接合付近をラマン分光法で測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

1. ポリエチレン成形品の評価
 ポリエチレンの偏光測定を実施して得られたラマンスペクトルを図1に示す。その結果、既報のような大きな変化は見られなかったが、2850cm-1のCH2対称伸縮振動のスペクトルで僅かに違いがみられた。このスペクトルは側鎖分岐や結晶化に関するピークと考えられ、2850cm-1/2880cm-1のスペクトル比を用いてマッピングを作製することとした。マッピングの結果を図2に示す。その結果、ウェルドラインに沿って他の場所とは異なる分子配向をしていると推定された。ただし、文献と比較してデータ数が少なく詳細は解析が必要である。
2. エチレン-メタクリル酸共重合体の評価
ポリエチレン同様に2850cm-1/2880cm-1のスペクトル比を用いてマッピングを作製した。マッピングの結果を図3に示す。その結果、PE同様にウェルドラインに沿ってその他とは異なる配向が見られた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 LDPEのラマンスペクトル



図2 マッピング像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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